本研究は、国内の教育工学分野の研究を専門的に扱う学会が発行する学会誌に掲載された論文について、書誌情報と、論文が引用する文献情報とを、引用文献情報データベースとして作成すること、及び作成したデータベースを基に計量文献学的手法を駆使して、教育工学分野の研究動向を明らかにするものである。 平成23年度に分析の対象とする教育工学分野の範囲として定めた、日本教育工学会、日本科学教育学会、教育システム情報学会、日本教育メディア学会、日本教育情報学会、電子情報通信学会 教育工学研究会、情報処理学会 コンピュータと教育研究会の7つの教育工学関連学会が刊行する学会誌に掲載された研究論文の中から、教育工学と関係がある論文の選定・抽出を平成24年度も引き続き行い、前年度から作成している引用文献情報データベースへの追加を行なった。 7つの学会の学会誌に掲載された平成12年(西暦2000年)以降の論文について、データベース化した書誌情報と引用文献情報から計量文献学的手法を用いて分析を行なった。教育工学分野の研究動向については、データベース化した情報を検証するため、教育工学の対象とする研究領域に関連する資料調査及び学会での情報収集を行い、論文が対象とする研究領域や引用文献との関係性や分類方法についても検討した。 分析の結果から、教育工学分野の研究対象は多岐に渡るため、引用文献情報から7つの各学会誌間よりも他分野に大きく広がっている場合も少なくなく、同学会誌内及び各学会誌間の関係についても論文の内容も含めたより詳細な分析の必要がある。そのため、書誌情報及び引用文献情報に加え、各学会誌の特色及び掲載される論文の種類や内容も含めて、より詳細な計量文献学的手法を用いられるようにするため、データベースの構築方法も含め、さらに研究を進めるべき課題が見つかった。
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