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2011 年度 実施状況報告書

拡張現実技術の応用により実地臨床を模倣した医療教育手法の検討と開発

研究課題

研究課題/領域番号 23650544
研究機関熊本大学

研究代表者

石河 隆敏  熊本大学, 医学部附属病院, 准教授 (00343351)

研究分担者 馬場 秀夫  熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20240905)
片渕 秀隆  熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (90224451)
松井 邦彦  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80314201)
宇宿 功市郎  熊本大学, 医学部附属病院, 教授 (30281223)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード拡張現実 / AR / ベッドサイド / 教育 / 情報端末
研究概要

現実空間に新たな情報をreal timeに付加する技術である拡張現実(Augmented Reality: AR)による医学教育手法の開発を提案することを目的として、本年度は臨床に即したシステム作りを目指し、具体的に検討した。平成23年度の目標としてその教材となる枠組みの検討・設定を挙げていたが、具体的な項目としては(1)拡張現実のフィールド、(2)情報内容、(3)情報deviceの選択である。(1)については当初は既存のシミュレータ教材として当院で採用しているMicroSim® (Laerdal社)を模倣してベッドサイドの環境にARを配置する予定で進め、模擬患者も検討した。しかし、準備等に相当に時間を要し、負担が大きいため、既存のシミュレータ教材に付属する人形を配置して行うことにした。これらは既に一定のデータをモニターなどに出力できるため、それらをARによって投影できる可能性がある。また、(2)情報内容については本来臨床に即した多数の情報が望ましいが、データ量や情報端末の制約により、まずは限定的にa. 病歴情報 b. labo data c. 心電図 d. 指導のポイントなどが提示できるものを目指すことにした。(3)deviceに関して、次年度のAR技法の実際の試用にそなえて携帯性の高く、かつ精緻な視覚情報が伝達可能な情報端末についての仕様を収集し、比較検討を行った。特にタブレット端末については最も汎用性のある2種類で検討したが、ベッドサイド環境で手が塞がり診療が制約され、一方、携帯性を高めると画面が小さくなるという不満があった。wearableなタイプも検討したが、現在まで見合った仕様をもつdeviceは見当たらず、検討の余地がある。1年目の予定である(1)、(2)の環境設定には方向性を見出したが、(3)deviceの選定については既存のものを応用するか、新たな機種を検討するか勘案中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1年目の予定である(1)、(2)の環境設定には方向性を見出したが、(3)deviceの選定については既存のものではベッドサイドに応用するにはやや難点がある。引き続き、現在市販され、汎用性があるタイプの情報端末を検討しているが、画素数や扱えるソフト、視野にも制限があり、尚検討を要する。計画当初からwearableなタイプが望ましいと考えているが、市販の製品は少ない現状である。昨年の国内の状況を考えると経済的にも技術開発的にもこれらの製品が一定の制限を受けた感が否めないが、本年上半期には機種を確定したい。

今後の研究の推進方策

平成24年度についてはまず、検討課題である情報端末について早急に確定したい。上半期に新たに市販されるdeviceも含め検討する。そのOperating Systemによって可能なプログラムが規定されることになる。wearableなタイプが望ましいが、小型端末で画像入力、出力が可能なものについて携帯性を工夫し、応用することも検討している。つぎに実際にARを行う環境の中で、AR教育プログラムのもとになるような設定で、情報端末にデータなどを投影することを試験的に実行する。端末とプログラムソフトの決定の後、マーカーについて検討を要することになる。将来的には人工的なマーカーが必要なくなる可能性があるが、現状ではシールなどの媒体が必要であり、模擬人形に貼り付ける必要があると考える。これらの環境設定設での実用的な問題点など検討し、さらにフィードバックしながら改良を試みる予定である。目標としては、(1)試験的な導入:臨床現場に即した機器の配置を行い、模擬人形上でのARによる情報伝達を行う。(2)その際の指導法や技術的なフィードバックを行い、方法論について細部を再度検討する。この(1)、(2)の結果をまとめ、今後の展望なども含め報告したい。

次年度の研究費の使用計画

次年度は情報端末の購入とプログラムソフトの購入が必要であり、それらに研究費を使用する。また実際の試用環境では画像情報を確認するため、情報端末とは別に大型画面での観察が必要であり、これらのモニターを配置するために経費を準備している。また、状況の記録用にビデオカメラで記録し、これを電子媒体として保存するため、記録装置等に関わる研究費を予定している。 研究に関する情報収集、研究結果についての報告のための諸費用(旅費、事務費用)も必要となる予定である

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 消化器外科専門医制度への取り組みと課題―地方大学の担う地域医療への貢献―2011

    • 著者名/発表者名
      石河 隆敏
    • 学会等名
      第111回日本外科学会定期学術集会
    • 発表場所
      第112巻臨時増刊号誌上発表(誌上開催)
    • 年月日
      2011年5月25日

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公開日: 2013-07-10  

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