研究課題/領域番号 |
23650545
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
竹中 真希子 大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (70381019)
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研究分担者 |
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
凍田 和美 大分県立芸術文化短期大学, 情報コミュニケーション学科, 教授 (90107839)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | メディアの活用 / ユビキタスコンピューティング / アクティブシニア |
研究概要 |
本研究では,平成23年度には,元気な高齢者(アクティブシニア)が,社会参加や自己の生活にユビキタスコンピューティングを享受できるような社会の実現を見据え,ユビキタスコンピューティングを活用したアクティブシニアの生涯学習のフレームワークの提案にむけた基礎研究を実施した。基礎研究の目的は,アクティブシニアのユビキタスコンピューティング利用に関する「技能的課題」「行動的課題」「動機付け」を明らかにすることであった。 文献レビュー,アンケート調査(大分市)については完了している。聞取調査は調査対象の調整ができず実施できていない。 アンケート調査の結果からは,ユビキタスコンピューティング端末(iPadなど)について,他者や宣伝などから「便利らしい」「すごいらしい」といった情報を得て,関心を持っていることはわかった。しかし,実際に触って見たいという思いはあるものの,実機に触れる機会がない,どこへ行けばよいのか分からないといった意見も見られ,シニア世代のコミュニティにあっては,行動を起こす初段階での情報入手に困難があることが推察された。 基礎実験として実施したユビキタスカフェ(大分市)では,参加者がユビキタスコンピューティング端末を操作し,テレビ電話や地図,インターネット,動画検索および再生,ゲーム,生活支援ソフト(料理レシピ集,健康辞典など)などを体験した。文字入力や以外のユビキタスコンピューティング端末操作は比較的スムーズで,参加者の自己評価においても操作は簡単であることが示された。基礎実験段階では,大きな技能的課題は見られなかったといえる。今後,ユビキタスコンピューティング端末を持つとしたら,どのようなことに使用したいかを尋ねたところ,インターネット,地図という意見が多く見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
聞取調査の対象調整がはかどっていないこと,および,神戸市を対象とした調査が進んでおらず,23年度の予定がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年は,研究フェーズ2で計画している実態調査のための継続的な実証実験を開始する。実証実験は,生涯学習領域において,注目されているサイエンスカフェ(1)(2)を参考に,ユビキタスカフェという形態で実施する。ユビキタスカフェのプログラムは,平成23年度のフェーズ1の基礎研究と基礎実験から得た知見をもとに作成する。 実証実験では,既存のアプリケーションやSNSなどのコミュニケーションを支援するアプリケーションを組み合わせて用いる現代の実情に即したアクティブシニアのユビキタスコンピューティングの活用について検討する。また,平成23年度成果および実証実験の結果を学会などで報告する。(1) 小林俊哉,浅野浩央(2008)生涯学習の場としてのサイエンスカフェ,知識創造場論集,第4巻,第4号,9-19.(2) 伊藤真之,蛯名邦禎,武田義明,田中成典,橋口典子,一橋和義,堂囿いくみ,横山恭子,久保田宏(2009)地域社会における市民科学活動支援システムの構築,日本科学教育学会年会論文集 33, 395-396.
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次年度の研究費の使用計画 |
主には,実証実験に用いるユビキタスコンピューティング端末(iPad)およびその周辺機器を購入および実証実験の打ち合わせ旅費として使用する。また,昨年度の実施が遅れている神戸市での調査のための旅費として使用する。さらに,研究成果の発表のための旅費および学会参加費として使用する。
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