研究課題/領域番号 |
23650545
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
竹中 真希子 大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (70381019)
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研究分担者 |
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
凍田 和美 大分県立芸術文化短期大学, 情報コミュニケーション学科, 教授 (90107839)
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キーワード | アクティブシニア / ユビキタスコンピューティング / メディアの活用 / 生涯学習 |
研究概要 |
本研究課題において,平成24年度には,アクティブシニアの生涯学習のフレームワークの提案にむけた実態調査を実施した。実態調査の目的は,継続的な実証実験を通して,アクティブシニアの「個人の学習行動の実態」および,「コミュニティーの学習行動の実態」を明らかにすることであった。 実証実験は,大分市において,平成24年9月から実施している。実験フィールド調整に手間取ったため,当初予定よりも遅れてのスタートとなった。まず,9月11日にビキタスカフェにおいて,ユビキタスコンピューティング端末(iPad)の体験利用を実施し,既存のアプリケーション(インターネット,地図,動画検索と再生,乗り換え検索など)を体験した。その後,参加者中の希望者4名を対象に長期利用を通した実証実験を実施している(平成24年11月より)。本実験は現在も継続中である。 ユビキタスコンピューティング端末(iPad)とWi-FIルーターを各自に貸し出している。初回は,参加者個々に端末やルーターの使用説明を行った。平成24年12月からは月に1度の割合で,全員が参加するユビキタスカフェを実施している。カフェでは,1ヶ月の間に出た疑問や質問をしたり,新しいアプリケーションの使い方を覚えたり,互いにどのような使い方をしているのか情報交換をしあったりしている。 参加者にはコミュニティの学習活動として,ソーシャルネットワークサービスである「FaceBook」の活用をお願いしており,メンバーだけの「コミュニティ」に近況の報告がなされている。平成25年3月に1名が参加をやめたが,その後新規の参加者が2名あり,現在は5名で実験を続けている。古参者と新参者の混じる環境において,実験を継続しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験フィールドの調整に手間取り,実証実験の開始が遅れた。また,計画当初3~4ヶ月のプログラムを数回実施する予定だったが,1つのプログラムを長期的に実施している。その理由は,3~4ヶ月ではユビキタスコンピューティング端末(iPad)の操作の上達やコミュニティーの発展状態を見るには設定期間が短すぎたためである。また,実証実験の実施地は神戸市での実験フィールドが整わなかったため,大分市のみでの実施となっている。さらに,学会における研究成果の発表についても,現在まだ実現できていない。
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今後の研究の推進方策 |
平成24 年度より引き続き,実態調査のための実証実験(ユビキタスカフェ)を平成25 年9 月まで実施する。実証実験において収集・蓄積したデータを分析し,アクティブシニアのユビキタスコンピューティング活用の生涯学習フレームワークを構築する。 データの分析にあたっては,被験者の主観的評価や学習ログによる量的分析および,事例研究やエピソード解析による質的分析を併せて,信憑性を追求する。また,ユビキタスカフェに参加した被験者の学習事例をモデル化する。 実態調査の結果で得た知見を,国内外の学会で発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
主には,実証実験に用いるユビキタスコンピューティング端末(iPad)およびその周辺機器の購入,Wi-FIルーターの通信費として使用する。また,研究成果発表のための旅費や参加費として使用する。
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