研究課題/領域番号 |
23650550
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
野嶋 栄一郎 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20000086)
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研究分担者 |
有賀 亮 玉川大学, 教育学部, 教授 (70175983)
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キーワード | パラ言語 / 教師の発話 |
研究概要 |
これまでの研究において、公立小学校の音声の授業記録をもとに、教師の生の音声データつまり自発音声において表現されるパラ言語情報(イントネーションの変化、パワーの強弱)に着目し、確認、強制、注意、関心、疑い、納得、気づかせ、無関心、反語などの言語情報の存在を確認することができた。これの抽出過程にかかわる詳細は、有賀亮、岸俊行、菊池英明、野嶋栄一郎(2008)「授業における教師の発話の音声分析によるパラ言語情報の抽出」、日本教育工学会論文誌、vol32(1),12-21、に詳述されている。本研究は、さらなる、パラ言語情報の収集に努力を集中させねばならないことは認識しつつも、一方で、具体的な、教育実践場面で、パラ言語情報は,どのような機能を果たしているかを、明らかにすることに研究の焦点化を図るものである。このような目的を果たすために、本研究では以下の二つの計画を企図している。 1)教育実験校、館山市立北条小学校において実践されている、「実行委員制度」の指導過程において、全生徒に課せられる、分担課題を、低学年の児童に実行可能とさせる 過程で使用される言語の収集を行う。 2)早稲田大学人間科学部で実践されているeスクールで使用されているライブ教材の効果を,ソーシャルプレゼンスにあるとみて、ソーシャルプレゼンスにかかわる調査票を開発している。これも非言語的情報による教育効果に焦点をあてたものである。 これに関係する記述は、野嶋栄一郎「持続可能な教育実践システムを有する学校の研究」教育工学における教育実践研究vol5,教育工学選書、ミネルヴァ書房、2012.96-120.を参照。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
共同研究者の1人である有賀が、家庭の事情により研究の負荷に耐えられなくなり、戦線離脱した。 研究代表者である野嶋は、昨年4月より心不全を患い、その処置のために合計4回入院を余儀なくされた。 このため、研究が中断され、研究計画が遅滞した。
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今後の研究の推進方策 |
1)教育実験校、館山市立北条小学校において実践されている、「実行委員制度」の指導過程において、全生徒に課せられる、分担課題を、低学年の児童に実行可能とさせる 過程で使用される言語の収集を行う。 2)早稲田大学人間科学部で実践されているeスクールで使用されているライブ教材の効果を,ソーシャルプレゼンスにあるとみて、ソーシャルプレゼンスにかかわる調査票を開発している。これも非言語的情報による教育効果に焦点をあてたものである。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)実験データの収集は、館山市立北条小学校において行う。北条小学校において行われる授業のうち統合学習を中心とした授業の過程で得られるパラ言語に焦点を当てる。さらに正確に言えば、統合学習の潜在的カリキュラムとして実行委員制度が挙げられるため、実行委員制度の指導過程において生成されるパラ言語もこれに含めることになる。これらの実践データの収集のために館山市立北条小学校にデータ収録に赴く必要がある。その際の交通費として東京~館山間の高速バス(往復)を中心とした支出が考えられる。 2)上記指導過程におけるICレコーダーの文字化ならびにパラ言語の抽出がデータ解析の中心的作業となる。データ整理、パラ言語抽出の作業に携わるアルバイト経費が必要となる。 3)ソーシャルプレゼンスに関わる調査票の開発と調査実施、データ解析のアルバイト経費が必要となる。
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