研究課題/領域番号 |
23650560
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
戸田山 和久 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (90217513)
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研究分担者 |
福井 康雄 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30135298)
齋藤 芳子 名古屋大学, 高等教育研究センター, 助教 (90344077)
唐沢 かおり 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (50249348)
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キーワード | 科学技術社会論 / 市民の科学理解 / 科学リテラシー / 科学コミュニケーション / 天文学 |
研究概要 |
サブプロジェクト(1)市民が抱く宇宙についての疑問の偏りに関する研究を進めた。一般向け天文学書、科学記事で好んで取り上げられる天文学関連の主題を整理して分析した。また、海外データのさらなる収集を進めるため、EuroSciene Open Forumのダブリン大会に「宇宙100の謎」プロジェクトの活動と成果を紹介するブースを出展して、市民からの同様の疑問を収集する予定だったが、EuroSciene Open Forumダブリン大会は例年と異なり、海外研究機関のブース出展は認めない方針となったため、急遽予定を変更して、EuroSciene Open Forumダブリン大会に戸田山が参加し、同大会での科学コミュニケーション、とりわけ子どもを対象とした科学コミュニケーションのさまざまなとりくみに参与観察を行い、市民の一般的な科学に対する関心について、調査を行うことにした。 サブプロジェクト(2)科学者を困惑させる問いの構造的特質に関する認識論的分析の実施を進めた。前年度に検討した、科学者を困惑させる問いの分類枠組みにしたがって、これまでに得られた該当する問いを分類し、市民が発する科学者を困惑させる問いのもつ特徴の把握を行った。上記の結果にもとづき、科学者を困惑させる問いの構造的特徴について認識論的観点から分析を行った。また、海外への成果発信の準備として、前年度に日本語で発表した研究成果の英語化を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画を立てた時点で予定していた、ESOFダブリン大会へのブース出展がESOF側の方針転換によりかなわなかったため、研究計画は思った通りに実行できたとは言い難いが、サブプロジェクト(2)の認識論的分析は順調に進捗したため、全体としてはおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度に当たり、成果発信に努める。我が国における市民の宇宙に関する関心のバイアスについての記述的研究の結果を論文にまとめ投稿するとともに、国際学会等での発表に努める。 そこで得られた成果のうち、天文学以外の領域の研究者にも適用可能と考えられるものを精査し、オンラインで科学コミュニケーション活動に従事する研究者に役立つ方法論を提供するサイト「研究者のための科学コミュニケーションStarter's Kit」により発信するとともに、その内容を組み込んだ、科学コミュニケーション研修を開発し、実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該研究費が生じたのは、成果の英語化を平成24年度と25年度に分けて実施することにしたため、それにかかる費用を繰り越したためである。 主として、成果発表のための旅費、「研究者のための科学コミュニケーションStarter's Kit」の改訂にかかる費用等を次年度研究費によって支出する予定である。
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