• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

九州大学医学部における史料研究-新しい「医の倫理」教育方法論の構築-

研究課題

研究課題/領域番号 23650563
研究機関九州大学

研究代表者

丸山 マサ美  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80294990)

研究分担者 小宗 静男  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10117434)
吉田 真一  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60128113)
下川 元継  独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (10625966)
キーワード医の倫理 / 医療倫理学 / 科学技術史 / 九州大学史料
研究概要

研究目的は、九州大学医学部における近世文書・器物史料と“医の倫理”教育について、調査する事にある。また“医療倫理教育”における“古い史料”の利用可能性について、探索的・試作的であるが、倫理教育において活用し、教育方法論として検討する事にある。
調査の中心は、明治期以降の器物史料が保管されている九州大学久保記念館、医学図書館である。
本学における当事の医学部教育は、国内外におけるさまざまな資料を教材としており、その当時の資料収集の背景を明らかにする事は、当時の医学教育における医師の使命、特に、医療専門家の『専門性』の意味を追求する事となる。また、その成果は、医学教育資料として、システム化し、本学の教育のみならず、医師を目指す国内外の医療専門家の専門性教育へと役立てる事を目的とした。
(研究実績)平成24年度調査においては、当初の計画に加え、九州大学基礎研究A棟地下に保管されていた資料(1997年器物史料・病理標本等)も対象とした。これまでの学術的成果は、第22回日本医史学会福岡地方会(8月23日)、第113回日本医史学会(8月27日)、第31回日本医学哲学・倫理学会(12月17日)報告した。また、3月末、完成予定であった九州大学基礎研究A棟資料・解剖学研究室解剖模型・病理学標本・整形外科教室器具・ノ-ト(合計 数千点)については、史料検証が困難でであったため、研究計画を1年間延長し、九州大学卒業生を中心に福岡医史学会メンバ-に助言・指導を求め、正確な史料集の作成とした。尚、当初、医学教育資料として、システム化し史料の公開を行う予定であったが、人体病理標本等、ア-キビストの倫理綱領を中心に、再検討中である。九州大学医学部標本・史料集(1997年調査)1冊は、医学図書館貴重コレクション室(禁持出)寄贈予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

【平成23年度】
器物文書・器物史料の調査については、初代細菌学教室 小川政修教授の収集された書籍等、新しい書架を購入し、空調の整った九州大学医学部図書館(貴重コレクションコ-ナ-)特別室に整理・保管し、リスト作成が完了した。
【平成24年度】
平成23年度より着手していた耳鼻咽喉科教室門下生より寄贈された近世復興式の鉄筋コンクリ-ト3階(久保記念館)における史料整理を開始し、明治期・昭和初期の診療録が発見され、解析を行った。また、当時の器物史料調査と共に、初代教授を知る人物からインタビュ-を実施し、歴史的事象の客観性、真実性などを高めた。これらの成果については、平成24年6月第113回日本医史学会・学術集会において、報告した。一方で、明治時代診療録(ドイツ語、ラテン語、英語など)は、難解な専門用語(病名)が記載されており、文字の解読(病名・状態)等が極めて困難であったため、平成23年度内に予定していた明治診療録の解析は、平成24年度に持ち込まれた。昭和診療録については、日本語による比較的理解しやすい記載内容であったため、当初の予定通り、デ-タ解析が終了した。明治診療録の解読、解析の遅れと、基礎研究棟A棟における整形外科器物史料、解剖学模型、病理学肉眼標本等は、その史料の数が、数千点に及ぶだけでなく、検証が困難な史料が多々あった。しかし、極めて貴重な史料である事から、平成23年度・平成24年度における計画を1年間延長する事を申請、本研究(史料集)を正確に仕上げる事の承認を得た。

今後の研究の推進方策

現在、作成中である史料集『九州大学医学部標本・史料集(1997年度調査)-基礎研究棟A棟における整形外科器物史料、解剖学模型、病理学肉眼標本-』の完成、および、これまでの学術集会報告における内容を整理し、学術論文として発表する。
また、リポジトリ-化として、検討中(保留)である成果の処理については、医学教育資料としてメリット(システム化)とア-キビストの倫理綱領との比較考慮にあり、これまでの成果を本学の教育のみならず、医師を目指す国内外の医療専門家の専門性教育へと役立てるための方法を慎重に検討している。
(研究計画)
1.史料集『九州大学医学部標本・史料集(1997年度調査-基礎研究棟A棟における整形  外科器物史料、解剖学模型、病理学肉眼標本-』作成 5冊
2. 第114回 日本医史学会 報告
3.初代細菌学教室 小川政修教授の収集書籍・貴重コレクションリスト作成 100部

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は、史料集『九州大学医学部標本・史料集(1997年度調査-基礎研究棟A棟における整形外科器物史料、解剖学模型、病理学肉眼標本-』完成のための経費を予定している。また、これまでの成果全体について、平成25年5月に開催される“第114回日本医史学会”にて報告予定。そのための出張経費にも使用予定。また、平成23年度に整理された初代細菌学教室「小川政修教授 収集書籍:貴重コレクション」は、リスト集を抜刷とし、作成する予定である。そのための経費として、平成25年度に研究費の一部を使用する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 学会発表 (8件)

  • [学会発表] 福岡醫科大学醫院耳鼻咽喉科『手術候補簿』-明治40年~明治44年-2013

    • 著者名/発表者名
      丸山マサ美他
    • 学会等名
      第114回日本医史学会
    • 発表場所
      日本歯科大学
    • 年月日
      20130511-20130512
  • [学会発表] 新しい「医の倫理」教育方法論の構築-九州大学耳鼻咽喉科初代教授 久保猪之吉の思想-2012

    • 著者名/発表者名
      丸山マサ美
    • 学会等名
      第31回日本医学哲学・倫理学会
    • 発表場所
      金沢大学
    • 年月日
      20121117-20121118
  • [学会発表] 九州大学医学部における史料研究-新しい「医の倫理」教育方法論の構築-第1報

    • 著者名/発表者名
      丸山マサ美
    • 学会等名
      第20回日本医史学会 福岡地方会
    • 発表場所
      福岡ガ-デンパレス
  • [学会発表] 九州大学医学部における史料研究-新しい「医の倫理」教育方法論の構築-第2報-

    • 著者名/発表者名
      丸山マサ美
    • 学会等名
      第21回日本医史学会 福岡地方会
    • 発表場所
      福岡ガ-デンパレス
  • [学会発表] 九州大学医学部における史料研究 第2報 昭和4(1929)年耳鼻咽喉科外来患者(日帰り手術)の動向

    • 著者名/発表者名
      丸山マサ美
    • 学会等名
      第21回日本医史学会 福岡地方会
    • 発表場所
      福岡ガ-デンパレス
  • [学会発表] 九州大学耳鼻咽喉科初代教授 久保猪之吉の業績-第1報“同門の語り”に見られる久保像-

    • 著者名/発表者名
      丸山マサ美他
    • 学会等名
      第113回日本医史学会
    • 発表場所
      独協医科大学
  • [学会発表] 九州大学耳鼻咽喉科初代教授 久保猪之吉の業績-第2報 同門の語りに見られる“医の倫理”-

    • 著者名/発表者名
      丸山マサ美他
    • 学会等名
      第113回日本医史学会
    • 発表場所
      独協医科大学
  • [学会発表] 九州大学医学部における器物資料-病理標本・解剖学標本・整形外科器具1997年実態

    • 著者名/発表者名
      丸山マサ美他
    • 学会等名
      第23回日本医史学会 福岡地方会
    • 発表場所
      福岡ガ-デンパレス

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi