研究課題/領域番号 |
23650566
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
野間 晴雄 関西大学, 文学部, 教授 (00131607)
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研究分担者 |
北川 勝彦 関西大学, 経済学部, 教授 (50132329)
朝治 啓三 関西大学, 文学部, 教授 (70151024)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 比較文化史 / プラントハンター / イギリス / 植民地 / 園芸学 |
研究概要 |
交付内定が5月にずれこんだため,研究開始は7月になった。分担者2名(北川勝彦・朝治啓三)に加えて,連携研究者2名(川島昭夫,京都大学大学院人間・環境学研究科,教授),小椋純一(京都精華大学人文学部教授)を追加した。 第1回目の研究集会は2011年7月4日(月)に関西大学で開催して全員の顔合わせを行い,各人の関心と今回の共同研究の分担を確認した。野間は植民地インドにおけるイギリスのプラントハンティングや本国との植物園ネットワークを中心に総括を行う。朝治啓三は幕末・維新期の日英関係と東アジアの政治情勢分析とイギリスプラントハンターの元締め的役割を果たしたバンクスの研究,北川は南アフリカのイギリス人プラントハンターの事績,小椋はイギリス人によるニュージーランドの植生や植物を,川島はイギリスへの茶導入をめぐる分析をもとにしたイギリスの貴族・大衆社会の研究をめざすことを確認した。 第2回目の研究集会は2012年1月 7日~8日に2人の外部からの話題研究者を招き,さらにコメンテーターとして京都の紅茶輸入業者で茶文化史の研究者や雲南省出身の若手茶研究者をまじえ,以下のような発表を行い意見を交換した。 グルン・ロシャン「ロバート・フォーチュンと茶」,川島昭「イギリスに茶の樹はいつ入ったか」,朝治啓三「ジョセフ・バンクスと帝国」,野間晴雄「近代植物園の系譜学―帝国とネットワーク―』,北川勝彦『19世紀中葉南アフリカのプラントハンター」,小椋純一「ニュージーランドの植生の現状について」,橘セツ(神戸山手大学現代・社会学部准教授)「プラントハンターと庭園のトランスカルチャレーション:19世紀後半から20世紀前半における日本と英国の交流をめぐって」。なお,今年度の海外調査は野間がライデン植物園,大英博物館やリバプール,マンチェスターで行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した1名の海外調査が都合により延期となったが,研究会は2回実施し,うち1回は外部からの話題提供者もまじえて,活発な学際的な議論がなされた。若干の残余金が出たが,次年度に繰り越して使用することにした。2012年度は2人の海外調査を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
2年目にあたる2012年度は,それぞれの分担者,研究協力者が,日本各地の図書館・博物館等で文献収集とその分析,イギリス,インド,南アフリカ共和国などでの資料収集を予定している。 7月には第3回の研究集会(関西大学)を予定しており,各人の研究成果の中間報告と外部から招いた関連分野の話題提供を行う。 9月からは2013年3月までの間に,分担者,研究協力者のうち2人が,イギリス,南アフリカ,インド,バングラデシュ等の史料調査を予定している。その成果の公表は国内・国外学会等で行う。旅費の一部はこれにあてる。また,各人による他の期間は各人による資料収集と分析が中心となる。 2013年1月下旬 第4回の研究集会(滋賀県)を予定している。各人の研究成果の中間報告と外部から招いた関連分野の話題提供によるオブザーバー,コメンテーターをまじえたものを考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
それぞれの分担者,研究協力者が,日本各地の図書館・博物館等で文献収集とその分析,イギリス,ニュージーランド,南アフリカ共和国などでの資料収集を予定している。7月には第5回の研究集会でとりまとめの方向を検討し,2014年度末にまでに各人の論考を中心に関西大学出版部から論集として出版を考えている。そのために2013年度に出版申請を関西大学に提出予定である。 7月からは2014年3月までの間に,分担者,研究協力者のうち1~2人が,イギリス,南アフリカ,インド,バングラデシュ等の史料調査を予定している。その成果の公表は国内・国外学会等で行う。旅費の一部はこれにあてる。また,各人による他の期間は各人による資料収集と分析が中心となる。 2014年1月下旬 第7回の研究集会を合宿形式で行い,原稿のとりまとめを行う。 学内分担者が多忙のため,その分担金の一部を使いきれなかった。また1名の海外出張予定者が校務のため出張できなかった。次年度は2名が海外出張して,ほぼ予算を消化する予定である。
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