研究課題/領域番号 |
23650578
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
肥田 登 秋田大学, その他部局等, 名誉教授 (70015832)
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キーワード | 地下水人工涵養 / 積雪高齢化社会 / 地下水位 / 地下水温 / モンスーンアジア / 六郷扇状地 / 水利用 |
研究概要 |
1、平成23年度に引き続き,研究対象域を降積雪地である,秋田県六郷扇状地(扇央:39°25′N, 140°34′E)に置き,年間を通じて本研究にかかわる地下水の基礎調査・観測を繰り返した。観測には既存の観測井とピエゾメータ群を用い,地下水と地下水温の連続観測を実施した。2、平成24年度冬期間の秋田県六郷扇状地における降積雪は平年を上まわり2月の積雪深は150cmに達した。3、家屋の屋根から降ろした雪を地下水を用いて融雪する小実験(散水方式を採用)を行った。散水量と融雪量の関係が見出される見込みである。3、道路散水によって生じた水の一部を地下水人工涵養の池に戻す実験を試みた。池の水温,人工涵養にともなう地下水の水温の観測を実施した。これらの記録の分析は平成25年度中にまとめることとする。4、モンスーンアジアの諸特性を背景におき,人工涵養を前提としてハノイ北西部(ベトナム)の地下水位の変動についての研究成果を公表した(海外研究協力者:Giang, N. V.氏と共著)。雨季・乾季にともなう地下水位の年変化を示すベトナムと高積雪の影響を受ける六郷扇状地の地下水位の年変化を比較検討することにより本研究の完成度をより高めることがねらいである。5、「降積雪地のオープン型地下水還元」の招待講演(日本地熱学会 学術講演会,秋田県湯沢市,湯沢文化会館,2012.10.24)を行い,ここで,熱交換に用いた地下水の地下還元法,低水温還元水の浸透能など,本研究にかかわる研究の成果を含めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)交付申請書の研究実施計画(平成24年度)に記載した5項目の内容に従って行動し,上の「研究実績の概要」欄に記した成果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
1、日本の降積雪域は高齢化率の高い地域である。高齢者にとって屋根の雪下ろし,除排雪の作業はきつく,死亡事故を招いている。屋根,生活道路の除排雪は地下水を用いることにより安全・省力化を図ることが可能である。本研究の成果をもとに,今後は「高齢化社会を生きるための,降積雪・地下水・人間活動を繋ぐスパイラルモデルの構築」を急ぐ必要があり,これを目指す。2、引き続き,秋田県六郷扇状地において現地調査のほか観測井及びピエゾメータなど既存の研究諸設備を活用して本研究課題に要する地下水位,地下水温などの観測を継続し,さらに,居住空間において地下水熱(約13℃)を利用して自家用の駐車場,生活道路の除雪等を行う装置を置き,熱利用を終えた地下水を人工涵養の水源として再び地下へ還元,この基礎実験を続ける。3、得られた研究成果を国の内外の関連学会で公表していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費は以下の研究活動に主に使用する計画である。 1.研究課題にそった諸地域における調査・観測。 2.情報交換のために必要に応じ海外調査の実施および海外研究者の招聘。 3.研究成果の関連学会(国の内外)での発表。
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