パターン認識受容体は,ウイルスや細菌など病原体の細胞膜や鞭毛などを構成する糖やタンパク質,核酸などの分子パターンを感知し,下流のシグナル伝達経路を活性化することで,自然免疫応答を誘導し,病原体排除へと働く.本研究では,腫瘍細胞における核酸認識と自然免疫応答に関する経路を細胞レベルおよびマウスの個体レベルで検討した.腫瘍細胞に核酸処理を行うことは,組織特異性があるものの,効率よく自然免疫応答を活性化させ,同時に腫瘍細胞の細胞死(アポトーシス)を強く誘導させることができた.今後,さらに生化学的な視点から腫瘍と核酸の認識,自然免疫応答についての詳細を追求していきたいと考えている.
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