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2012 年度 実績報告書

HSP72結合解析による多発性骨髄腫腫瘍マーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23650617
研究機関大阪市立大学

研究代表者

岩尾 洋  大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00137192)

キーワード腫瘍マーカー / プロテオーム
研究概要

多発性骨髄腫は治癒を期待できる治療法がなく、治療の目標は患者の生活の質(QOL)を維持した長期生存となる。よって治療介入時期を決定する上でも的確なバイオマーカーが必要とされている。そこでHsp72 が骨髄腫特異的に発現するタンパク質と相互作用しているという着想に基づき、Hsp72 を標的とするアフィニティー精製を利用した疾患プロテオミクスによる腫瘍マーカーの探索を前年度から引き続いて行った。
まずNHq法にて患者血清中から単離したHsp72結合分子を同定した。これらのタンパク質が多発性骨髄腫由来であることを確かめるために、多発性骨髄腫細胞株(RPMI8226, KMS-12-PE)の培養上清を用いて同様にNHqによるアフィニティー精製を行い、Hsp72結合分子を質量分析により同定した。その結果、4つの分子が培養液中、血液中に共通して見出された。これらのタンパク質はmultifunction, development, organization, cell cycleといったGO termの分子であった。いずれも細胞外での機能や、分泌が知られていない分子である。そこでcell cycle関連分子に着目した。KMS-12-PE株を用いて細胞内、細胞外での本分子の発現解析を行った結果、本分子は細胞内でフラグメント化されていること、そのフラグメントが培養上清中でHSP72と結合していることが明らかとなった。全長のサイズの分子は培養上清中には存在しなかった。そこで、患者血清をNHq精製し、本抗体にてウエスタンブロットしたところ、患者血清9例中3例で本分子を認めた。健常者血清中には本分子は見いだせなかった。したがって、本分子は多発性骨髄の有力な腫瘍マーカーとなりうることが示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (7件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] HSC70-targeted proteomics revealed the association of RAB1A with stress response in cancer cells.2013

    • 著者名/発表者名
      田中昌子
    • 学会等名
      第86回 日本薬理学会年会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県)
    • 年月日
      20130321-20130323
  • [学会発表] 血中Hsp72結合分子を同定し、多発性骨髄腫に対する新規診断マーカーを探索する2013

    • 著者名/発表者名
      西智史
    • 学会等名
      第86回 日本薬理学会年会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県)
    • 年月日
      20130321-20130323
  • [学会発表] 疾患プロテオミクスのための血中HSP72結合分子の単離2013

    • 著者名/発表者名
      植村遼
    • 学会等名
      第86回 日本薬理学会年会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県)
    • 年月日
      20130321-20130323
  • [学会発表] アンジオテンシンIIによるエキソソームへの影響2013

    • 著者名/発表者名
      岩尾洋
    • 学会等名
      第42回 日本心脈管作動物質学会
    • 発表場所
      奈良県立新公会堂(奈良)
    • 年月日
      20130208-20130209
  • [学会発表] 分子シャペロンHsc70を標的とした癌のストレス応答分子同定法の確立

    • 著者名/発表者名
      田中昌子
    • 学会等名
      第121回 日本薬理学会近畿部会
    • 発表場所
      あわぎんホール(徳島県)
  • [学会発表] 心血管障害におけるエキソソームの役割

    • 著者名/発表者名
      岡真優子
    • 学会等名
      第122回 日本薬理学会近畿部会
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスセンター(大阪)
  • [学会発表] ラット心筋梗塞急性期に対するバソプレシンV2受容体拮抗薬の効果

    • 著者名/発表者名
      泉康雄
    • 学会等名
      第22回 日本循環薬理学会
    • 発表場所
      富山国際会議場(富山)
  • [産業財産権] 形質細胞性腫瘍を検出するための方法、キット及びマーカー2013

    • 発明者名
      塩田正之、岩尾洋、田中昌子、植村遼、西智史
    • 権利者名
      大阪市立大学
    • 産業財産権番号
      特願2013-45581号
    • 出願年月日
      2013-03-07

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公開日: 2014-07-24  

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