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2012 年度 実績報告書

海氷に含まれる微量元素分析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23651001
研究機関北海道大学

研究代表者

西岡 純  北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (90371533)

研究分担者 的場 澄人  北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (30391163)
キーワード海氷 / 微量金属元素 / クリーン分析技術
研究概要

本研究では、海氷によって移送される可能性が高く植物プランクトン増殖へのインパクトの大きい微量栄養物質である「鉄」と陸起源の鉱物などの指標となる「アルミ」に着目した海氷内の微量金属元素の無汚染分析方法を開発することを目的としている。H24年度は、計画されている①表面研磨による海氷サンプルクリーニング装置、②クリーン海氷融解インライン分析装置、の2つの装置の開発のうち、①の装置について研究を進めた。
大きな海氷ブロックから採取した際、微量金属分析用の試料とするために、ノコギリやアイスピック、コアラーを用いて試料切り出す必要性があり、その際にサンプル表面は鉄やアルミニウム濃度の汚染を受けることが確認された。この汚染した表面をクリーンに除去する為に、セラミック刃を用いた表面研磨による氷のクリーニング操作を検討した。低温室に設置したクリーンブース内で、厳密に酸洗浄したセラミックナイフを用いて氷表面を2 mm-5 mmずつ削り、順次クリーンに洗浄したポリエチレン容器にサンプルを集め、融解し酸性溶液にした後、鉄とアルミニウムの濃度を原子吸光分析法によって測定した。試料の採取や前処理の段階で汚染があった場合に、周囲を1センチ以上削ることでその影響を除くことが可能であることが明らかとなった。
上記のクリーニング方法を用いて、南部オホーツク海域における海氷のサンプルを測定したところ、海氷内の全濃度は685±203 nM (n = 53)であり、北極海やベーリング海、バルト海の縁辺海で形成された海氷の全鉄濃度に近い値を示した。また、同時に得られたアルミニウム濃度と鉄の比は、陸起源の鉱物粒子の値に近かったことから、海氷には陸起源鉱物粒子が取り込まれている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 南部オホーツク海域の海氷に含まれる栄養塩と鉄の定量評価2012

    • 著者名/発表者名
      漢那直也、西岡純、村山愛子、豊田威信
    • 雑誌名

      月刊海洋

      巻: 504 ページ: 517-522

  • [雑誌論文] 海氷がオホーツク海の物質循環と生物生産に及ぼす影響―凍る海の豊かな生態系を支える機構の解明を目指して―2012

    • 著者名/発表者名
      西岡 純
    • 雑誌名

      月刊海洋

      巻: 504 ページ: 368-374

  • [学会発表] 冬季オホーツク海におけるFE(II)の定量的評価2013

    • 著者名/発表者名
      稲垣成一、漢那直也、村山愛子、西岡 純
    • 学会等名
      日本海洋学会春季大会
    • 発表場所
      東京海洋大学(東京都)
    • 年月日
      20130324-20130324
  • [学会発表] Pivotal roles of sea ice on iron transport in the Sea of Okhotsk2012

    • 著者名/発表者名
      Nishioka , J.
    • 学会等名
      SOLAS-Open Science Conference
    • 発表場所
      Cle Elum conference center (USA)
    • 年月日
      20120506-20120506
  • [学会発表] Bioavailability of sea ice-derived iron for phytoplankton growth2012

    • 著者名/発表者名
      Kanna, Naoya, Koji Suzuki, Aiko Murayama and Jun Nishioka
    • 学会等名
      PICES annual meeting
    • 発表場所
      Hiroshima University (Japan)
    • 年月日
      2012-10-20

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公開日: 2014-07-24  

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