研究課題/領域番号 |
23651019
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
林 政彦 福岡大学, 理学部, 教授 (50228590)
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研究分担者 |
東野 伸一郎 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40243901)
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キーワード | 無人航空機 / 直接観測 / 試料回収 / 成層圏エアロゾル / 物質循環 |
研究概要 |
H24年度は、対流圏高度観測のための気球・無人機の切り離しシステムの開発を10月まで実施し、平成23年度に小型軽量化した観測装置を用いた南極での気球・無人機システムの試験を行った。観測装置の搭載に関しては、無人航空機のコントロールシステムとの電波干渉対策、低温条件における保温対策などを実施した。南極昭和基地における実験は、第54次南極地域観測隊夏隊に研究分担者の東野が隊員として参加、また、研究代表者(林)の指導学生(博士前期課程1年)が同行者として参加し、平成25年1月に5回の実験観測を実施した。1月30日には、極域での成層圏、熱帯域での対流圏中層に対応する高度10kmまでの観測と同高度からの自律帰還を成功させた。また、成層圏高度における気球・パラシュート・無人航空機の分離のための気圧トリガー開発と小型気球と気象観測用ラジオゾンデを用いた動作実験を行った。 これらの実験、観測を通じて、対流圏高度における気球分離式無人航空機システムは、エアロゾル観測およびサンプル回収の実観測での運用が可能な状況になった。ただし、飛行経路自律決定方については、強風条件下での期間を可能にするための改善の必要がある。また、成層圏高度での気球・パラシュート・無人航空機システムのための動作最低気圧が数hPaの多段気圧トリガーもほぼ問題なく動作することが確認でき、成層圏高度での無人航空機の気球およびパラシュートからの多段切り離し実験を行える段階に達した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に若干遅れがあったが、国内では、阿蘇(九州)、美深(北海道)さらに南極昭和基地での実験を通じて、当初計画通りの対流圏高度(10km)からの帰還と対流圏観測に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度が最終年度となる。①小型の使い捨てカイトプレーンを成層圏高度で切り離し、その飛行状態の確認、②カイトプレーンの翼形状の揚抗比改善のための再検討、③成層圏高度用の気圧トリガーの精度向上 を進め、夏季の弱風条件下で気球・パラシュート分離式カイトプレーンを用いた成層圏高度のエアロゾル数濃度観測、成層圏エアロゾル採取を実現させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
無人機用部品の購入予定が変更になり、20,413円の繰越金が生じた。 繰越金は、平成25年度の無人航空機の部品等の消耗品の購入に充てる。
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