研究課題/領域番号 |
23651022
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
栗山 進一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90361071)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 乳児 / 尿検査 / スクリーニング / 早期診断 |
研究概要 |
平成23年度は、我々の提案する採尿方法(入浴時に乳児の下腹部へぬるま湯を垂らして尿意を惹起し、直接紙コップに尿を採取する方法)に従って、自宅で採尿を試みて頂く3-12ヶ月の乳児及びその保護者を、学内へのポスター掲示等によって募集し、18組の乳児およびその保護者にご協力を頂いた。その結果、乳児8名においては、我々の提案する採尿方法によって、7日以内に採尿することができたが、残りの10組においては、7日以内に採尿することができなかった。今回協力して頂いた保護者からは、おむつ交換時も採尿のタイミングとして候補となるのではないかという意見が多く寄せられた。また、乳児の性別によって適切な採尿方法が異なる可能性を示唆する意見も多く寄せられた。さらに、採尿方法を保護者に説明する資料の中に、専門的な言葉を含まれていたために、我々の提案する採尿方法が的確に伝わらなかった事例も見受けられた。したがって、採尿のタイミングとして、今回提案した入浴時に加えて、おむつ交換時も候補とすることや、男児・女児それぞれの採尿方法を提案することで、これまで困難であった乳児における採尿を簡便かつ合理的に行うことが可能となると考えられた。また、保護者への採尿方法の説明の仕方をよりわかりやすく実施する必要性が明らかとなった。平成24年度は、我々の提案する採尿方法を改良し、再度、3-12ヶ月の乳児及びその保護者に協力して頂き、採尿率を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画書の倫理申請手続きもスムーズに進み、受理後速やかに対象の乳児および保護者の募集を開始することができた。数か月間で18組の対象の乳児および保護者を集めることができた。我々の提案した採尿方法による採尿成功率は44%とほぼ想定通りであった。採尿の可否に関わらず、乳児をもつ保護者からの有用な意見も収集され、平成24年度も、改訂した採尿方法による採尿率の検討が可能である。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度の調査結果を踏まえ、我々の提案する採尿方法を改良し、再度、3-12ヶ月の乳児及びその保護者の協力を募り、改良した方法による採尿率を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
対象の乳児および保護者を新規募集し、応募者に対する研究の意義・内容の説明を行い、同意が得られた対象者へ採尿キット一式を配布し、採尿を試みて頂く。対象の乳児および保護者の基礎特性・採尿の可否等について調査票に記載して頂く。採尿が可能であった場合、尿試料を収集し、尿中コチニン・Na等を測定し、調査票から得られた受動喫煙の有無・栄養摂取状況との関連を検討する。上記計画実施のため、対象の乳児の保護者への説明者への謝金、対象者への謝金、ポスター・質問票印刷関連費、採尿キット(紙コップ、スピッツ等)準備費、採尿キット送付・返送費、尿中コチニン・Na等測定費が必要である。
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