研究課題/領域番号 |
23651032
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
工藤 純一 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (40186408)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 国際情報交流 |
研究概要 |
人為起源の温室効果ガスとして森林火災から発生するCO2量の占める割合が大きいにもかかわらず、現状のIPCC(2007)第4次報告書で示されている測定値は信頼性が低い。発生した森林火災を大規模火災に延焼させないためには、出火から1時間以内に消火活動を行うツールの開発と、森林火災から発生するCO2量を測定するツールの開発が必要である。この2つのツールはいずれ遅くない時期に技術的な方法で解決できることを前提に、本課題の目的は、これらのツールを利用して、森林火災から発生するCO2量を取引するスキームを検討し、これを可能にするための要件を明らかにし、森林火災管理によるCO2排出量取引のシナリオ作成を目的とした。 平成23年度は、まず、収集した情報を蓄積し、解析するためのデータベースシステムの構築を行った。収集した文献やインターネットからの情報をデータベースに蓄積し、海外等でも情報収を行った。次に、国立環境研究所、森林総合研究所、立命館大学、JAXAなど本研究課題の遂行に関して国内の研究所等の専門家を招集した会議を本学東京分室、筑波学園都市、名古屋市で開催した。また、計画外のこととして、モスクワに滞在する機会を得たので、文科省、外務省、JAXAで本研究に関連する専門家ともミーティングを開催して意見を徴収することができた。 その結果、平成23年度の研究会議の開催は、ほぼ研究計画通りの進捗であったが、データベース構築は東日本大震災の影響で予定より遅れ気味であった。この分は次年度に挽回できる見込みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は4回会議を開催する計画であった。それに対して実際は4回開催することができた。さらに、モスクワ出張の際にも関係機関の担当者から情報収集やコメントを得ることができた。また、得られた情報を格納したり解析するためのデータベース構築は、当初計画よりも遅れたが年度内にはできたので、平成23年度はほぼ順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は平成23年度に得られた結果を基にして、最終成果のシナリオ作成を行う。専門家からのコメント等が必要な場合はさらに会議を招集する。 第一四半期(4月~6月):シナリオ第1版を作成し、23年度にコメントを受けた専門から評価を受ける。また、評価によっては会議を招集して問題点を整理する。 第二四半期(7月~9月):シナリオ第1版を完成させ、環境省と林野庁から評価を受ける。また、このシナリオを実現するための研究費確保手段として、科研費等への申請を行う。この時期に昨年同様、外国へ調査および情報収集のための出張を行い、内容を充実させる。 第三四半期(10月~12月):環境省と林野庁からの評価を整理し、問題点を明確にする。また、この期間内に問題点の解決が可能な場合は行う。 第四四半期(H25年1月~3月):シナリオ第1版を完成させる。この内容について国際会議等で報告する。また、海外の専門家からのコメントを受け、整理する。これを最終報告書とする。
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次年度の研究費の使用計画 |
データベースシステムを増強する費用として、ディスク200千円分を消耗品として計上した。国内旅費は研究代表者が調査・研究用に200千円。研究協力者(10名分)が2回分の会議に出席する旅費として200千円を計上した。外国旅費は研究代表者が米国へ調査する研究費として300千円。謝金は大学院生1名がデータ入力のために10ヶ月分研究を補助するために150千円を計上した。会議費は2回分の使用料として20千円、成果報告書の印刷費330千円をその他に計上した。
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