研究課題/領域番号 |
23651039
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研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
山中 知彦 新潟県立大学, 国際地域学部, 教授 (40554382)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 持続可能 / 地域環境変化 / 地域継承 / 臨床医学 / 遺伝学 / 脳科学 / 東日本大震災 / 新潟県域 |
研究概要 |
以下研究計画の項目に沿って記述する。(1)意識集合としての地域概念の整理:本研究申請後に発生した東日本大震災により、研究フレームを見直す必要があると考え、既存研究のレビューはフレーム見直しに併せ、平成24年度に向けて留保した。かわりに、被災地域全般の状況や識者の知見を把握するための情報収集に多くの時間を費やした。(2)環境変化と地域の持続可能性:当初想定した新潟県域~首都圏に、東日本大震災被災地をフィールドに加え、さいたま市南区/川口市鳩ヶ谷/長岡市/小千谷市/新潟市中央区沼垂/新潟市東区/大船渡市吉浜/南相馬市/等で協力者の案内を得ながら情報収集を行った。(3)記憶の構造に関する臨床医学理論調査:理化学研究所脳科学総合研究センター編「脳科学の教科書」等の文献および精神科医師・川上保之氏へのインタビュー調査から、現在の当該臨床医学理論の大枠を捉える事ができた。また、宮地尚子著「震災トラウマと復興ストレス」により、精神科医の提起する被災地における地域継承モデルを知ることができた。(4)遺伝の構造に関する臨床医学理論調査:伊庭斉志著「遺伝的アルゴリズムと進化のメカニズム」により、情報工学分野における遺伝を援用したモデルの慨要を知ることができた。(5)地域環境崩壊の臨床医学的説明:日本建築学会編「総合論文集第10号:場所性・地域継承空間システムと都市建築のフロンティア」に査読論文「遺伝学・脳科学を援用した地域継承論」を投稿し、中間的な考察の総括とした。(6)地域環境分野への臨床医学理論適用の試み:前項同様。さらに、さいたま市南区まちづくり大学において「地域の継承学」と銘打った連続4回の講座を企画し、方法論の開発を行った。(7)社会実験プログラムの立案:平成24年度着手予定。(8)調査研究報告書のとりまとめ:平成24年度着手予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究費の使用においては25%と遅れているように見えるが、研究計画上は一部平成24年度予定項目にまで達しており、問題はないと考える。
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今後の研究の推進方策 |
東日本大震災を考慮した研究フレームの見直しを行い、いくつかの類型的なフィールドに入り、有識者の意見を参考に社会実験プログラムを立案しながら、理論の構築を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
フィールドにおける社会実験プログラムの立案に旅費・謝金を使用予定。報告書印刷にその他の費目を使用予定。
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