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2013 年度 実績報告書

気候変動に対する適応策としてのWater Democracyの再構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23651041
研究機関東洋大学

研究代表者

吉永 健治  東洋大学, 地域活性化研究所, 客員研究員 (40392576)

キーワード水管理 / 水管理組織 / 灌漑システム / Water Democracy / 提携ゲーム / 気候変動 / 適応策
研究概要

最終年度の平成25年度は、引き続き理論分析と現地調査および関係機関において研究成果の一部を発表し研究テーマについて議論や意見を徴集した。まず前者の理論分析に関しては、灌漑システムの上・中・下流側農家の効率的な水管理に関する提携ゲーム理論分析を行った。上流側農家は水へのアクセスが容易なためにしばしば水管理を怠りがちになる。これは水管理に要する労働力と時間を機会費用に充て、自らの収入増加を図る狙いがある。これにより、下流側農家は水不足に直面することになる。そこで、上流側農家が水管理に対して低い努力、中流側農家が中程度の努力、下流側農家は高い努力をするケースをReference Caseとして各流域が努力水準を引き上げた場合における5ケースについて流域間の提携による便益配分に関する分析を行った。結果は、各流域、特に下流側農家が高い水管理努力を行うことが下流側農家に対する便益(水利用に対する)をもたらすことを示した。
また、現地調査は①ベトナム、②中国及びフィリピンで実施した。ベトナムでは国連・国際機関(FAO, ADB, ICID,など)、大学、JICA P-PIMプロジェクトなどを訪問し、水管理と気候変動の適応策に関して聞き取りと議論を行った。P-PIMプロジェクトはWater Democracyとの関連性を明らかにするのに有効であった。またフィリピンにおいては現地における水管理組織と効率的な水利用に関して意見交換を実施した。また、JICA・NIA支援、世銀後援のセミナーで成果の一部を発表し、聴衆者と意見交換を実施した。さらに、ADBにおいては主にWater Democracyに関して水担当者と議論を実施した。議論はPIMとの関連性に焦点を当てて両者の違いがどこにあるかに関して意見交換を実施した。
なお、上記の理論分析の結果は論文として大学の紀要に投稿し公開されている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] How Effective to Rebuild Water Democracy as Adaptation Measure against Climate Change? - Forming Farmers’ Coalition for Better Water Management-2014

    • 著者名/発表者名
      Kenji YOSHINAGA
    • 雑誌名

      Journal of Regional Development Studies

      巻: Vo.17 ページ: 137-157

  • [学会発表] Better Water Management for Food Security

    • 著者名/発表者名
      吉永健治
    • 学会等名
      JICA/NIA (世銀後援)セミナー
    • 発表場所
      フィリピン・ケソン市・NIA
    • 招待講演
  • [学会発表] Rethink of “Water Democracy” for Better Water Management

    • 著者名/発表者名
      吉永健治
    • 学会等名
      ADB Meeting
    • 発表場所
      フィリピン・マニラ・ADB
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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