本研究は、灌漑システムの水管理組織を中心とする民主的な手法(Water Democracy)による水管理の改善が気候変動の適応策として有効である点に着目し、効率的な水利用及び公平な水配分、さらに上・下流側農家間の水紛争の解決の経済的手段、水管理改善に対する農家間の提携による便益効果分析を行った。また、フィリピンとラオスにおける現地アンケート調査により、効率的な水利用、水管理組織の役割・活動、現況の水管理に対する満足度・問題点などについて分析を行った。また灌漑システムにおける水管理に関して、Water Democracyを再定義し、と参加型灌漑管理及び総合水資源管理の関連性について論じた。
|