研究課題/領域番号 |
23651042
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
白井 信雄 法政大学, 地域研究センター, 教授 (70597260)
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研究分担者 |
田中 充 法政大学, 社会学部, 教授 (80339506)
増原 直樹 法政大学, 大学院政策科学研究科, 講師 (30597802)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 持続可能 / 地域づくり / チェックリスト / 市民協働 |
研究概要 |
本研究では、世界や地球の持続可能性をボトムアップで実現していく単位としての"地域及びそこに暮らす住民"に焦点をあて、その持続可能性を、地域住民の認知面で計測するチェックリスト型指標を開発する。また、この指標をモデル・スタディ地域で試行し、持続可能性に係る地域と住民の相互影響構造、地域施策の効果や改善点等を明らかにする。これにより、地域及び住民の持続可能性の向上を企図する地域施策のチェック&アクション(事後評価と見直し)の方法論を導出する。平成23年度は、持続可能性に係る3側面(地域認知、主体意識、地域と主体の関与)と6領域(環境、経済、社会、環境×経済、経済×社会、社会×環境)を組み合わせた18項目毎に、それを細分化した評価項目を設定し、さらに各評価項目に対応する複数の評価尺度(定性的なチェックリスト)を作成した。地域認知に係る評価項目及び評価尺度の設定にあたり、持続可能な地域づくりに係る3つの原則を既往研究をもとに設定した。設定した原則は、(1)他者への配慮、(2)リスクへの備え、(3)主体の活力である。また、指標全体体系や個別の評価尺度のたたき台を元に、関連有識者5名へのヒアリング調査と3回の研究会を開催して、意見交換を行い、他方面からの精査を行った。現在、作成した評価尺度を用いて、WEBモニター(合計1,000サンプル、年代・性別・居住地特性別に層化抽出)によるアンケート調査を実施し、現在分析を行っている。評価尺度の評価項目の代表性を検定する分析を行い、有意な評価尺度の絞り込みを行った上で、評価尺度の合成変数としての評価項目について、相互の相関関係の分析、主体意識との関連の分析等を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
持続可能な地域づくりの評価尺度(チェックリスト)を用いたインターネットモニター調査の実施がやや遅れており、現在分析中である。遅れの原因は、チェックリストの精査に時間をかけたためである。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に設定した評価尺度(チェックリスト)を用いたWEBモニター調査結果の分析を進め、評価尺度の絞り込みや有効性の検証を行う。さらに、開発した評価尺度を用いて、複数のパイロット地域の住民による地域点検等の試行を行う。この評価尺度を用いた地域点検の結果とパイロット地域でこれまで実施されてきた地域施策等との関連を分析し、地域施策の効果や課題等を検討する。研究開始当初では、パイロットスタディにおいては、開発した評価尺度を用いた住民アンケート調査を実施することを考えていたが、平成23年度に設定した評価尺度の数が多いため、一般住民向けに郵送で住民アンケート調査とともに、特定の住民グループに対して調査票を配布し、その集計結果をもとにしたワークショップを行う方法で実施することとする。さらに、試行結果を踏まえて、地域及び主体の持続可能性の向上という観点から、指標を用いて、地域を評価(チェック)し、見直しの方向を検討(アクション)する方法を整理し、地方自治体向け「地域の持続可能性の診断ガイドライン」としてとりまとめる。作成したガイドラインは、印刷物としてとりまとめ、成果の普及を図る
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次年度の研究費の使用計画 |
WEBモニター(合計1,000サンプル、年代・性別・居住地特性別に層化抽出)によるアンケート調査は年度をまたがって実施しているため、その外部委託経費の支払いを行う。さらに、平成24年度は、複数のパイロットスタディ地域における持続可能な地域づくりの住民調査のための経費として、交通費、現地コーディネイター謝礼、住民参加者謝礼、作業補助者賃金等を使用する。また、地方自治体向け「地域の持続可能性の診断ガイドライン」の印刷費等を使用する。当初計画では、複数のパイロットスタディ地域での住民アンケートの郵送費等に使用する予定であったが、特定の住民グループに対して調査票を配布し、その集計結果をもとにしたワークショップを行う方法等に変更するため、ワークショップの開催費として研究費を使用する。
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