研究課題/領域番号 |
23651060
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
阿布 里提 弘前大学, 北日本新エネルギー研究所, 教授 (70565374)
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研究分担者 |
官 国清 弘前大学, 北日本新エネルギー研究所, 准教授 (90573618)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 中国 |
研究概要 |
本研究の目的は、製造難易度の高い空気極支持平板型SOFCセルを低コストで製造する技術を開発することにあり、初年度における研究実績は次の通りである。(1)SOFCセルのナノ―ミクロ構造制御・組成制御等の手法を基本とした製造プロセスを確立した。(2)空気極支持膜((La0.75Sr0.25)0.95MnO3-δ(LSM)+Sm0.2Ce0.8O1.9(SDC))と電解質膜(11mol%Sc2O3-doped ZrO2(ScSZ))を一体にしたSOFCハーフセルを作成し、NiO-SDC燃料極材料をScSZ上に塗布・形成し共焼結したセルを用いてH2燃料の発電試験を行った結果、セルの最大出力密度は800℃と750℃でそれぞれ0.228と0.133W/cm2で、Aサイト欠陥型LSMは、空気極支持膜/電解質膜界面の変質抑制に効果的であることを明らかにした。(3)グリシン硝酸塩法(Glycine-nitrate combustion process)によるアノード合金材料Ni0.5Cu0.5Oを合成し、空気極支持膜LSM-Ce0.8Gd0.2O1.9(CGO)と電解質膜ScSZを一体にしたハーフセル上にNi0.5Cu0.5O-CGOを塗布・形成・共焼結した後、H2(H2O-3%)とCH4(14.8%)燃料で発電試験を行った結果、セルの最大出力は850℃、800℃、750℃でそれぞれ0.396、0.287、0.190W/cm2(H2)と0.294、0.164、0.096W/cm2(CH4)となり、セル性能も空気極支持膜のナノ―ミクロ構造の制御によって改善され、また、セルの開回路電圧から電解質膜はSOFCの求められる緻密性を満たしていることを明らかにした。初年度で得られた成果は今後の研究開発に極めて重要な意義があるものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
機器故障のため
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今後の研究の推進方策 |
関連分野の先端的な技術動向を迅速かつ的確に把握し、計画通り進歩していない研究内容については、最新技術の積極的な活用と、原因調査や検討等を踏まえ対応方針等を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
申請書の計画通り使用する。
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