研究課題/領域番号 |
23651064
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
下ヶ橋 雅樹 国立保健医療科学院, 国際協力研究部, 主任研究官 (20334360)
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キーワード | 糸状緑藻 / 水処理 / バイオマス / 農地排水 |
研究概要 |
屋外実験として,昨年度までに作成した屋外実験用水路(藻類培養部長さ250cm,幅26cm)を用いて,昨年度の冬季実験に引き続き,夏季の化学肥料の施肥及び畜産排水の液肥利用を想定した模擬農地排水(それぞれ化肥系,畜産系と呼ぶ)からのFGAの栄養塩除去能を,化肥系-FGA植栽,化肥系-FGA非植栽,畜産系-FGA植栽,及び畜産系-FGA非植栽の4系列により評価した.実験開始時,FGA植栽の2系列ではいずれもCladophora属とChaetomorpha属が優占種として観察された.水理学的滞留時間12~13 [日]にて,一定の水路水位(流入部にて19~20 [cm])を保つように化肥及び畜産系人工排水を流入させ,35日間の観測を行った.その結果,溶存態全窒素に関して化肥及び畜産系双方ともに,FGA植栽なしに比べてFGA植栽ありでの除去率が高かった.特に化肥系でのFGAの窒素除去促進が目立った.また各態窒素の濃度変化を検討したところ,いずれの系においてもFGA非植栽系と比較してFGA植栽系で硝酸・亜硝酸態窒素濃度が低くなり,藻体の窒素取り込みのみならず,FGAの存在による脱窒反応促進が影響している可能性が考えられた.一方リンに関してはFGA植栽の有無による除去率の違いは見られなかった. また室内実験では,糸状緑藻の増殖特性を把握するため,現場で採取した糸状緑藻Cladophora属,Spyrogira属の分離培養を試みつつ,Spyrogira属に関してはその増殖特性評価手法を検討した.さらに,藍藻Microcystis属,緑藻Oedogonium属の培養と増殖速度評価方法を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
屋外実験は予定通り終了した.一方で糸状緑藻を用いた室内培養実験のための分離培養に予想以上の時間を要した.大型の糸状体であり,従来の藻類とは培養の上で異なる操作が求められることがその一因であった.なお,現在までに予備的ではあるが,その成長速度の測定を実施した.
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今後の研究の推進方策 |
室内実験結果ならびに文献情報を踏まえて糸状緑藻植栽水路における成長と栄養塩挙動を表現する数理モデルの構築を行い,大気開放系での糸状緑藻水処理・物質生産両立システムのデザインを行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
室内実験に係る費用,ならびに成果発表,報告書作成に要する費用として使用する.
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