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2011 年度 実施状況報告書

廃熱の有効利用-熱エネルギーを用いたサイレンサーの基礎検討-

研究課題

研究課題/領域番号 23651072
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

坂本 眞一  滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (40449509)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード熱音響 / サイレンサー / 廃熱 / 温度勾配 / 音 / エネルギーの有効利用 / 温暖化防止
研究概要

熱音響現象によって,音エネルギーと熱エネルギーの相互エネルギー変換が行われる.そのエネルギー変換を詳細に測定することによって,温度勾配と音響的な減衰の関係を明らかにし,サイレンサーの可能性を狙っている.熱音響現象による,音エネルギーによる熱エネルギーの移動と,それによって引き起こされた温度勾配との関係を導き出す.スタック(ハニカムセラミック,細金属管を束ねたもの,金属を積み重ねたもの)にヒーターで温度勾配を作製し,そこに騒音想定した音波をラウドスピーカで照射し,スタック前後での音響情報の変化を詳細に測定した.また,スタック内に発生する温度勾配の変化も重要な情報であることから詳細に計測した.これらの測定結果より,サイレンサーを構成するスタックの流路径や温度差により,熱音響効果や散逸効果による減衰の割合が異なることが示された.また,消音効果の向上には,スタック両端に付加する温度差を小さくすることが必要であると考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究助成申請時に提案した熱音響サイレンサーにおけるI.温度勾配と音圧振幅の関係とII.温度勾配と周波数の関係についての測定は順調に実施している.これらの成果より,『熱エネルギーを用いたサイレンサー』の構築を目指す.温度勾配を強制的に付けることによって,熱音響現象によって生じさせ,音エネルギーを減衰させる原理でサイレンサーの実現に向けての検討を進める.

今後の研究の推進方策

平成24年度以降これまでの測定を詳細に継続するとともに,スタックの材料、形状の選定を進める.測定系は共鳴管の左端にラウドスピーカを取り付け,右端を閉端としたものである.音圧の振幅,周波数が容易に測定可能な共鳴管を用いて実験する.共鳴管の壁面に圧力センサをフラッシュマウントで取り付け,共鳴管内の音場(音圧,粒子速度,インテンシティなどの空間的-時間的変化)を詳細に測定する.感度不足の場合,もしくはさらなる詳細な測定を実施するためには,コンデンサーマイクロフォンである,プローブマイク<現有設備>にての測定も実施する.

次年度の研究費の使用計画

平成24年度以降についても申請通りの使用計画で進める.サイレンサーを構成するデバイスの材料、形状の選定を進める上で必要とされるプロトタイプの製作に研究費を使用する予定である.共鳴管内の音場(音圧,粒子速度,インテンシティなどの空間的-時間的変化)を詳細に測定する.感度不足の場合,プローブマイク<現有設備>にての測定も実施するが,それ以上の感度が必要である場合は購入も検討する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] A study on thermoacoustic silencing system - Discussion of the mechanism by comparing amplification with attenuation of sound2011

    • 著者名/発表者名
      T. Kobayashi, S. Sakamoto, D. Tsukamoto, Y. Kitadani, and Y. Watanabe
    • 学会等名
      INTER-NOISE 2011
    • 発表場所
      Osaka Conference hall
    • 年月日
      2011年9月4日
  • [学会発表] 熱音響現象を用いた新たな消音システムに関する研究-変換部を複数設置することによる消音効率向上に向けた試み-2011

    • 著者名/発表者名
      小林徹也,坂本眞一,塚本大地,柳本浩平,柴田健次,渡辺好章
    • 学会等名
      日本騒音制御工学会秋季研究発表会
    • 発表場所
      芝浦工業大学
    • 年月日
      2011年9月15日
  • [学会発表] 熱音響サイレンサーの動作メカニズム解明に向けた研究-増幅効果と減衰効果の比較2011

    • 著者名/発表者名
      小林徹也,坂本眞一,渡辺好章
    • 学会等名
      第49回同志社大学理工学研究所研究発表会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2011年12月3日

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公開日: 2013-07-10  

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