研究課題/領域番号 |
23651073
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
坂東 博 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80124353)
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研究分担者 |
徳本 勇人 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70405348)
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キーワード | 再生可能エネルギー / バイオ燃料 / ディーゼル代替燃料 / 廃食用油 / 超音波技術 / 廃棄物資源化 / 循環型社会 / 地球温暖化 |
研究概要 |
バイオディーゼル燃料(BDF)中に混在する副生グリセリン(GL)を、化学的特性の違いを利用し、可能な限りエネルギーを使わず分離し、短時間でBDFの主成分である脂肪酸メチルエステル(FAME)を精製する技術開発を行った。24年度は、GLとFAMEの化学的特性の違いである分子内-OH基数の相違に基づく親水性の差を利用して、多孔性材料(活性炭)に親水性物質をコーティングし、エステル反応混合物の分離容器に導入し、親水性表面上でGLの凝集を促すことにより、GLの相分離をより効率的に促進する技法の探索と分離条件の検討を行った。 検討の結果、投入した活性炭が内包する気体により、細孔内に入り込んだBDF中のGLが泡沫状となって瞬間的に水面に浮上するという新しい知見を得た。さらに、活性炭をチタン系、メチルシリケート系超親水コーティング剤に含浸させ表面処理すると、この泡沫状のGL量が増加する傾向が見られた。この新技法は、泡沫の重量分析及び、Cadenza CD-C18カラム、アセトン-アセトニトリル (7:3)混合液を移動相としたHPLCシステムにより評価することにも成功した。 また、親水性コーティングした活性炭はグリセリンと親和性のある溶媒で洗浄すれば再利用できると推察されることから、エステル交換反応で使用するメタノールで洗浄、乾燥させれば再利用できると考えられる。同様に、超親水性被膜材料によるコーティングも容易である。また、泡沫状で水面に浮上すれば、浮上分離あるいは泡沫分離法で容易にGLをBDFから分離し、FAMEを精製することが可能となることから、エネルギー投入を伴わない安価な分離技術とすることが期待できる結果を得た。
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