研究課題/領域番号 |
23651077
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
河原 敏男 中部大学, 藤原洋記念超伝導・持続可能エネルギー研究センター, 教授 (80437350)
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研究分担者 |
服部 敦 中部大学, 工学部, 教授 (10460536)
古川 慧 清水建設株式会社技術研究所, 高度空間技術センター, 研究員 (70600956)
山口 作太郎 中部大学, 藤原洋記念超伝導・持続可能エネルギー研究センター, 教授 (10249964)
高橋 道郎 中部大学, 経営情報学部, 教授 (30340201)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 省エネルギー / 低消費電力・高エネルギー密度 / 環境調和型都市基盤整備・建築 / エネルギー効率化 / 表面・界面物性 |
研究概要 |
本課題では、超伝導の電力到達性を活かして電力送配電のための単純制御送電網(グリッド)技術を開発、都市的規模に適用し、柔軟で堅牢なグリッドシステム(SFG)を構築することで、都市設計上の制約も克服した社会システムの改革像を提示することを目的に研究を行う。本年度は、超伝導送配電システムの実測パラメータをもとに(1)SFG型グリッドシミュレータ開発を行うとともに、(2)都市設計のパラメータ化を試みた。(1)200 m級超伝導直流送電実証実験装置(CASER-2)での送電実験で実測した各種パラメータ(端末性能・線路ロス等)を組み込んだグリッドシミュレーションコードを開発するために、損失パラメータの整理と効率化の検討を行った。特に、短距離応用を目指して、端末の電流リードでの熱損失を評価して熱電材料の特性に対する依存性を議論し、材料開発の方向性を示した結果を論文発表した。同時に、CASER-2の実験結果より電流リードの温度分布が得られたので、これを元に傾斜機能材料の導入効果を検討し、その性能向上の効果を論文発表した。これらのパラメータを元にシミュレータ開発を行ったが、整合性の確認のために交流配電システムに対して適用し蓋然性のある結果が得られたので論文を投稿中である。今年度の成果はCASER-2での実験結果の影響を反映させることで、新規システムである超伝導送配電システムの運用時のパラメータ化の精度向上となるものである。(2)低炭素化からみた都市設計を整理し、コンパクト化と超高齢化対応の2つの切り口からリデザインの方向性をパラメータ化した。その結果、超伝導送配電システムを組み込むことによる都市設計の自由度の可能性とリスク低減効果が明らかとなったので研究成果を発表した。この成果を活かして都市設計の制約をパラメータ化することが超伝導送配電システムのグリッド導入の際の効果を明示する基礎となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
超伝導送配電システムの端末性能の評価を明らかにするとともに、都市設計の現状整理を行うことでパラメータに関しては開発方向や精度も含めて十分な成果が得られた。しかし、グリッドシミュレータに関しては動作の蓋然性の評価を優先したためシミュレーションソフトに十分反映できなかったので(3)とした。これは、各パーツについては計画以上に進んでいるので今後の加速化の下地はできている。
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今後の研究の推進方策 |
新規グリッドシステムの各種パラメータに対するロバスト性を数値的に示し安定化条件を明らかにするとともに、キャンパスレベルでシミュレータを適用する。都市レベルの適用性に関しては都市設計のパラメータの表現方法を示すことでシミュレーションの蓋然性を示すこととする。
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次年度の研究費の使用計画 |
個々の課題で明らかなったパラメータの統合が不十分であったので、そのシミュレーション用データ収集に関して予定より遅らせた。次年度は、キャンパスレベルのシミュレーションも含めてビルレベルから広く超伝導機器・電力データ等の必要データの収集を行うことで、シミュレータの統合を進めると共にテストデータの解析も効率化させて行う。また、連携研究が多くなるので、そのための旅費等にも研究費を充当する。
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