1)アクティブダンピング法によるカンチレバーの応答速度の高速化 カンチレバーの振動振幅制御回路にアクティブダンピング回路を付加し、カンチレバーの実効的Q値を5から1に低下させ、カンチレバーの応答速度の高速化を実現した。 2)単原子観察条件の実験的検討 溶液中において固体表面を原子分解能で観察するための条件を実験的に解明した。具体的には、前年度に改良した高速原子間力顕微鏡を用いて、位相シフト曲線を測定した。ばね定数、機械的共振周波数、振動振幅に対する位相シフト曲線を理論的に導出した。この位相シフト曲線に対する信号対雑音比(SN比)を求め、信号の帯域幅を狭めることなく感度の最も高くなる観察条件を求めた。 3)ビデオレートでの単原子観察と物性測定の実証 高性能化・高速化した位相変調方式の高速原子間力顕微鏡を用いて、ビデオレートで試料表面の原子レベルの構造と表面電位を高速観察できることを初めて実験的に検証した。
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