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2011 年度 実施状況報告書

蛍光ライブイメージングを用いた細胞間に発生する力学量測定法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23651099
研究機関北海道大学

研究代表者

川端 和重  北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 教授 (20261274)

研究分担者 水谷 武臣  北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 助教 (40451405)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードイメージング / 力学測定 / 細胞集団
研究概要

多細胞生物の器官形成の機構を明らかにするためには、細胞集団の運動における物理量の空間分布を測定することが重要である。本研究では、細胞集団が運動する際の細胞-細胞間に発生する「歪」の空間分布を測定する手法を開発する。細胞集団に対する「歪」の空間分布と細胞の運動方向とを比較することで、細胞集団の協調的運動の力学モデルを提案する。細胞-細胞間に発生する「歪」を評価するために、(1)生きた細胞の細胞間接着構造を蛍光イメージング、(2)構造の変形を数値解析、の2つの項目を進めていく。本年度は、以下の事項に取り組んだ。(1)細胞間接着タンパク質のクローニング細胞間接着部位に局在するといわれているEPLINもしくはα-カテニンと蛍光タンパク質とのキメラタンパク質のクローニングを行った。EPLINについては、GFPとのキメラタンパク質作成により、細胞-細胞間での局在を観察することが出来たが、細胞体中心のストレスファイバーの上にも局在してしまい、細胞間接着の変形だけの評価には不向きであることが分かった。一方、α-カテニンとAzami Greenとのキメラタンパク質は、細胞-細胞間にのみ局在していたため、細胞間接着構造の変形の評価に適用できることが分かった。(2)蛍光像から構造の変形を数値解析まず細胞骨格繊維上に発生した変形を評価するための数値計算プログラムの構築を目指した。蛍光タグ付き細胞骨格タンパク質を生きた細胞内に導入すると繊維構造の時空間変化をとらえることが可能である。そこで、繊維構造に沿った曲線を数値計算で定義し、曲線上の蛍光輝度プロファイルから繊維の変形を評価するプログラムを作成した。細胞骨格上に発生した変形の空間分布を定量的に評価することに成功した。この繊維構造の定義と変形評価のアルゴリズムは、本研究で目指している細胞間接着構造の変形も評価できると期待している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初から計画していた接着構造イメージングのためのツール作成と解析法構築が順調に進行しているため。

今後の研究の推進方策

当初計画していた通りに進めていく。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Active fluctuation in the cortical cytoskeleton observed by high-speed live-cell scanning probe microscopy2011

    • 著者名/発表者名
      Kazushi Tamura, Takeomi Mizutani, Hisashi Haga, Kazushige Kawabata
    • 雑誌名

      Acta Biomaterialia

      巻: 7(10) ページ: 3766-3772

    • DOI

      10.1016/j.actbio.2011.06.013

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞骨格に発生した不均一な歪み:ライブセルイメージングと画像解析による力学量測定法の提案2012

    • 著者名/発表者名
      田中良昌、水谷武臣、芳賀永、川端和重
    • 学会等名
      2011年度日本生物物理学会北海道支部例会
    • 発表場所
      旭川市民文化会館(北海道)
    • 年月日
      2012.3.6
  • [学会発表] 生命体におけるボトムアップ型の巨視的構造の構築2012

    • 著者名/発表者名
      川端和重
    • 学会等名
      日本設計工学会(招待講演)
    • 発表場所
      北海道大学(札幌市)
    • 年月日
      2012.3.30
  • [学会発表] 細胞の時空間ダイナミクス計測:ライブセルイメージングから細胞骨格の力学バランスと細胞が発生する力をみる2011

    • 著者名/発表者名
      水谷武臣
    • 学会等名
      九州大学共同利用研究会
    • 発表場所
      九州大学(福岡市)
    • 年月日
      2011.9.11
  • [学会発表] Cellular Mechanics: Dynamic Behavior of Cytoskeletal Networks and Cellular Contractile Force2011

    • 著者名/発表者名
      Takeomi Mizutani
    • 学会等名
      The Fifth Shanghai International Conference on Biophysics and Molecular Biology(招待講演)
    • 発表場所
      Huashia Hotel (China)
    • 年月日
      2011.11.5
  • [図書] 細胞のかたちと動きIV:細胞の形と細胞骨格2011

    • 著者名/発表者名
      川端和重、新宮(川端)弘子
    • 総ページ数
      192
    • 出版者
      サイエンス社
  • [備考]

    • URL

      http://altair.sci.hokudai.ac.jp/g3/member/kawj.html

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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