本研究では、弾性表面波デバイスを用いて超電導YBa2Cu3O7-y結晶の極表面超電導の測定を行った。弾性表面波デバイス表面から漏れた圧電ポテンシャルと超電導試料中のキャリアとの相互作用を通じて、外部電界と試料内部キャリアを結合させている。圧電ポテンシャル電界は、試料のキャリア遮蔽効果によって、ある深さまで試料表面に侵入する。本実験条件下では、室温において、圧電ポテンシャルはYBa2Cu3O7-y試料への侵入深さは約1nm程度である。この技術を利用して超電導試料極表面抵抗の温度依存性を測定した。測定結果から、極表面の抵抗値はマイナス100℃前後で急激な減少が見られた。また、酸素や水素、窒素などの吸着測定から、超電導表面の酸素欠損の濃度は表面超電導に強い影響を与えることも明らかとなった。
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