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2012 年度 実績報告書

電子放出増強による表面プラズモンのナノ分解能・その場観察

研究課題

研究課題/領域番号 23651121
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

宮崎 英樹  独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (10262114)

キーワード電子顕微鏡 / 光物性 / 表面・界面物性 / 可視化
研究概要

本研究では、表面プラズモンが持つと期待される2次電子放出増強効果を利用して、光照射により金属表面に励起された表面プラズモンの強度分布を、電子ビーム走査により、ナノメートル分解能でその場観察する新原理顕微法の開発に挑んだ。具体的には、走査電子顕微鏡(SEM)試料室内部に、外部から導入したレーザ光により試料に表面プラズモンを励起できる光学系を構築し、レーザ光のON/OFFに対応してSEM画像の輝度が変化するかどうかを調べた。当初、平成23年3月に導入された高輝度でエネルギー分光機能を有する新しいSEMをベースにシステムを構築する計画を立て、主要フランジの移行までは2年目半ばに完成したが、光学系まで含めた全システムの移行は期間中には完了しなかった。その代わりに旧システムの輝度信号を32ビットに高分解能化し、SEM側の性能の限界を埋め合わせることにより、表面プラズモンによる微小な2次電子放出量の変化を補足できるよう努力した。また、最終年度は、調整は容易であるが効率の悪い従来の円筒面プリズムを三角形プリズムに変更し、高精度な角度調整機構を組み込むことで効率の良い表面プラズモン励起を実現することに注力した。しかしながら、表面プラズモンの2次電子放出増強効果を検証したと明確に言える結果は得られていない。レーザ光のON/OFFにともなう表面変化は確認されたが、それは熱膨張によると推定している。この結果から、極めて微小な2次電子量の変化を捕らえるシステムができていることは確認できた。詳細は解析中であり、研究成果報告書にて報告する。また、本研究を通じて、電子顕微鏡と光学系を融合したシステムが種々の新型顕微鏡の共通のプラットホームとして有望であることに思い至り、計画にはなかった方式の超解像光学顕微鏡の基礎実験を行った。期間中に成果を公表できなかったが、現在その結果を論文にまとめている。

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公開日: 2014-07-24  

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