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2012 年度 実績報告書

液晶内包シリカナノ粒子の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23651123
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

清水 洋  独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 研究グループ長 (40357223)

研究分担者 三好 弘一  徳島大学, 学内共同利用施設等, 教授 (90229906)
藤原 正浩  独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 上級主任研究員 (90357921)
キーワードナノカプセル / 液晶 / シリカ / 閉じ込め系 / 熱相転移 / 電場応答 / 5CB / 界面活性剤
研究概要

コアシェル法並びにストーバー法にて室温ネマチック液晶5CB(4-ペンチル-4'-シアノビフェニル)をシリカナノ粒子内に固定する調製法を研究したが5CBの含有量が小さく諸物性を解明することが難しいことから新たに界面活性剤を用いて5CBを中空シリカナノ粒子内に固定する手法を検討、約3.5wt%の5CBを内包する90nmから400nm径の中空シリカナノ粒子を調製することに成功した。TEM観察におけるシリカ及びナノカプセルに詰め込まれた5CBそれぞれに由来する2つの異なる面間隔の存在、紫外・可視吸収スペクトルにおける5CBの吸収極大のシフト(284nmから275nmへ)及び蛍光スペクトルでの発光極大のシフト(339nmから351nmへ)、更には詰め込まれた5CBの固体―液晶―等方性液体相転移に起因すると考えられる蛍光強度の減少が確認された。これらは液晶性分子のナノ空間閉じ込め系における振る舞いとして新たな知見を含むと考えられる。
一方、より大きな空間を持つ中空シリカマイクロカプセル(平均粒径 2.4μm、平均細孔径 9nm、平均中空率:約70vol%)の5CB注入(体積充填率70%)を行い、偏光顕微鏡観察による光学的異方性及び示差走査熱量(DSC)測定による5CBの融点及び透明点に加えて新たに現れる複数の熱相転移の確認からミクロンサイズの中空空間の閉じ込め系では多様な分子集合状況の共存の可能性が示された。また、これをシリコンオイルに分散させITOガラスに挟んで直交ニコル下偏光顕微鏡観察すると電場のオン・オフに伴い視野全体に明暗の弱い変化が認められ個々の粒子中の5CBが電場配向する可能性も示唆された。
詳細は今後の検討によるが、本研究によりネマチック液晶詰め込み系中空シリカの異なる粒子径の組み合わせによって、光散乱が電場により制御できる新たな材料の可能性を見出したと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 5CB液晶分子を内包したシリカナノカプセルの調製とその分光学特性2013

    • 著者名/発表者名
      新妻章一、三好弘一、倉科昌、金崎英二
    • 学会等名
      日本化学会第93春季年会
    • 発表場所
      立命館大学(びわこ草津)
    • 年月日
      20130322-20130325
  • [学会発表] 減圧下における中空シリカマイクロカプセルへの5CBの注入2012

    • 著者名/発表者名
      清水 洋、樋口由美、今井勝一、塩川久美、藤原正浩
    • 学会等名
      2012日本液晶学会討論会
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      20120905-20120907

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公開日: 2014-07-24  

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