研究課題/領域番号 |
23651129
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
大矢 裕一 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (10213886)
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研究分担者 |
新宮原 正三 関西大学, システム理工学部, 教授 (10231367)
葛谷 明紀 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (00456154)
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キーワード | DNA / ナノワイヤ / 自己組織化 / ナノテクノロジー / ナノ配線 |
研究概要 |
本研究の目的は高アスペクト比を有するナノメタルであるナノワイヤを,DNAを用いて接合し,それをナノ配線として応用することである。しかし,ナノワイヤ末端に選択的にDNAを接合させることが困難であり,配線構築には至らなかった。そこで,ナノワイヤではなく金ナノ粒子(AuNP)を直線的に配列化し,それを還元して導電性を賦与する技術を開発するとともに,ナノワイヤ末端に選択的にDNAを導入するため,Niナノワイヤの末端に金を付着させる手法について検討した。 1,DNA結合金ナノ粒子による組織体形成:金ナノ粒子(AuNP) 表面に親水性アルカンチオールで自己組織化単分子膜(SAM)を形成させたのち,チオール末端を有するDNAを反応させることにより,AuNP二つの「極」部分にだけDNAが導入され,その相補性に基づく一次元AuNP連鎖が調製できることを確認した。さらに直線性の高いAuNP連鎖を構築することを目的として,T-motifおよびDX(ダブルクロスオーバー)モチーフを使用して梯子状に二列のDNA二重鎖でAuNPを挟み込む形の組織体を設計し,実際に高い直線性を有する組織体を構築できることを確認した。こうした構造を基板上に吸着させた後,金を還元することにより,AuNPを成長・接触させ,導電性を賦与することを試みた。その結果,AuNPの還元成長には成功したが,導電性を評価するには至らなかった。 2,金付着ヘテロナノワイヤの調製:酸化アルミナナノホール構造を利用して,Niを成長させた後,さらに金を析出させ,アルミナナノホールをアルカリ処理により除去して,ヘテロナノワイヤを作成することに成功した。X線分析機能を持つTEMでその構造を確認した。
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