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2012 年度 実績報告書

マイクロ液滴衝突法の創成と新規流体・化学操作への展開

研究課題

研究課題/領域番号 23651135
研究機関東京大学

研究代表者

馬渡 和真  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60415974)

キーワードマイクロ流体 / 液滴衝突 / ラプラス圧
研究概要

数cm角のガラス基板に数10-100mの流路を刻んでさまざまな化学機能を集積化するマイクロ化学チップの研究が世界中で繰り広げられ、従来の分析や合成の高速化・微量化・小型化・高機能化を実現して、応用範囲が大きく広がっている。このマイクロ流体の制御には、水/油の多層流をベースとして、液滴流れや平行流が用いられてきた。しかし、その流速はマイクロ空間の大きな圧力損失によりcm/s程度に制限され、流体に大きなエネルギーを付与したプロセスはこれまで困難であった。そこで本研究では、気相中の液滴を10m/s以上に加速して、マイクロ空間の制御された流れの中で液滴と液滴を衝突させることで、液滴の先端に運動エネルギーを局所化して、これまでにない新たな化学プロセスを創成することを目的とした。
本研究では部分的表面修飾によりラプラス圧を制御して、駆動圧力を調整することでマイクロメートルスケールの液滴を生成して、発射・加速することに成功した。特に液滴を液体から氷へと相転移させることで氷と壁面との吸着力を利用して、印加できる最大圧力をMPaレベルまで高めることに成功した。その結果、加速した液滴は最大で20m/sまで可能となった。これは衝突により表面にエネルギーを集中させれば、化学反応に必要なエネルギーを与えられることを意味する。従来のマイクロ流体の研究とは異なり、液体を加速して高い運動エネルギーを与える本基盤技術は今後混合や細胞の破砕、化学反応などマイクロ流体の分野に新しい流体操作を提供できると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Ice Droplet Collider: Ultimate Acceleration Of Droplet Using Microscale Phase Transition For Chemical Reaction By Kinetic Energy2012

    • 著者名/発表者名
      Takumi Matsuno
    • 雑誌名

      Proceedings of Micro Total Analysis System 2012

      巻: なし ページ: 872-874

    • 査読あり
  • [学会発表] Ice Droplet Collider: Ultimate Acceleration Of Droplet Using Microscale Phase Transition For Chemical Reaction By Kinetic Energy2012

    • 著者名/発表者名
      Kazuma Mawatari
    • 学会等名
      uTAS2012
    • 発表場所
      Okinawa Convention Center
    • 年月日
      20121028-20121101

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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