本デバイス実験の前に、分担者により抗体をドープしたゾルゲルシリカ薄膜(膜厚3-4ミクロン)内部における抗体抗原反応の予備実験を行いゾルゲル内部における最適反応条件を見出した。分担者は実証済の緑色蛍光タンパク質(GFP)ドープ光導波路による数分以内での有機リン化合物検出結果を利用し、本研究においてはさらなる検出時間短縮実証のための最適化を行った。 ゾルゲルシリカ薄膜内部に配置したGFPと加水分解酵素は有機リン加水分解酵素に対し反応し緑色蛍光が変化する。これを利用してゾルゲルシリカコア内部にGFPと加水分解酵素を配置した酵母生体を混入し、さらにゾルゲルシリカコアを多孔性にして光導波路を作成した。その光導波路に波長488nmレーザ光を入射し、緑色蛍光(中心波長550nm)を測定した。20mM濃度の有機リン加水分解酵素をこの光導波路コアに滴下し、蛍光強度が1分後に半分の値まで変化することを実証した。本研究成果により生体を光導波路に直接混入し、バイオセンサとして機能させることができることを示せた。したがって、抗体を光導波路にドープして抗原を検知するセンサとして同様に機能させることが可能であることを示した。
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