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2011 年度 実施状況報告書

温度応答性界面形状記憶材料を用いた多彩なマイクロ流体操作の実現

研究課題

研究課題/領域番号 23651142
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

青柳 隆夫  独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (40277132)

研究分担者 荏原 充宏  独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (10452393)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードマイクロ流路 / 温度応答性材料
研究概要

マイクロ流路を作成するために、水酸基の数が異なる多価アルコールを開始剤としカプロラクトンモノマーの開環重合を行うことで分岐型ポリカプロラクトン (PCL) を合成した。さらに、得られた分岐型PCLの末端水酸基に、光あるいは熱によって付加反応が可能なアクリロイル基を導入することにより、ポリカプロラクトンマクロモノマーを合成した。得られた分岐型PCLの合成確認、分岐連鎖長の計算、得られたマクロモノマーの融点を評価するルために、核磁気共鳴スペクトル、ゲル浸透クロマトグラフィー 、示差走査熱量測定 を行った。その結果、分岐数を増加させると融点が低下してくること、連鎖長が短くなると、同様に融点が低温側にシフトすることが分かった。さらに、分岐数の異なるマクロモノマー(具体的には2分岐と4分岐のもの)の混合比を変化させることにより大変効果的に材料の融点(軟化点)を制御できることが分かった。さらにD,L-ラクチドとの共重合化によっても融点が低温側にシフトし、全体の力学的強度も低下することが明らかとなった。予備的な実験として、得られた温度応答性材料に市販のメッシュを融点以上で押しつけ、低温の戻すとパターン化が大変容易に進行することが分かった。低温状態ではかなりの圧力をかけてもパターン化を起こらなかった。さらにパターン化した材料を融点以上に加温すると一瞬でパターンが消失した。この結果は、最適なモールドを用いることによって、容易にマイクロ流路が形成出来ることを示唆している。今後継続して検討を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

半結晶性高分子であるポリカプロラクトンの性質を大変有効に生かした温度応答性材料の構築に成功した。通常、動的なマイクロ流路では、流路本体やバルブを極めて精密に設計しなければならないが、本材料を用いることにより、流路の切り替えなどがモールドを設計、パターン化すれば簡単に調製できる利点を有している。当初の予定通り、材料の調製に成功し、さらに予備的な実験で、パターン化が大変容易に行える事を確認することができた。

今後の研究の推進方策

昨年度は温度応答性材料の調製に成功し、さらにパターン化を基分けて容易に行うことも確認でした。本年度ではレーザー照射に伴う光熱変換現象を誘起できる界面形状記憶材料を調製するため、近赤外領域に強い吸収があり光熱変換効果を有する金ナノ粒子を作製したPCLマクロモノマーに混合し、ラジカル重合によりPCL架橋膜を作製する。それぞれの混合比により力学的強度・強度転移の鋭敏さ・レーザー照射による加温効率などに影響を与えると考えられるため、作製条件の最適化を検討する。金ナノ粒子の混合が与える力学的強度や形状記憶性能への影響が大きすぎる場合、金スパッタなどによる光熱変換層を別途形成することにより目的のマイクロチップ基材を完成させていく。また、別の手法として、磁性微粒子を金粒子の代わりに用いた材料も検討する。、磁性微粒子はヒステリシス損失のよって交流磁場内で自発的に発熱することが出来るので、部分的に微粒子を混合できれば、磁場熱変換が可能となり、流路切り替えに応用できる。

次年度の研究費の使用計画

本年度は主に、材料の作成のための消耗品および情報収集や成果発表のための旅費、研究支援のための謝金に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Smart biomaterials with dynamically tunable stiffness for tissue engineering2011

    • 著者名/発表者名
      Takao Aoyagi
    • 学会等名
      International Conference on Materials for Advanced Technogogies(招待講演)
    • 発表場所
      SUNTEC シンガポール
    • 年月日
      2011年6月29日

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公開日: 2013-07-10  

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