微細加工技術を用いて、光導波路とギャップ構造を持つギャップ光導波路を作製した。光導波路のコアには屈折率が高く、可視領域で透明な二酸化チタン膜を用いた。シリコン酸化膜上に二酸化チタン膜を成膜したシリコンウェハを基板として用いた。フォトリソグラフとドライエッチングにより、マイクロメートル幅の直線型光導波路を作製した。次に、この光導波路と直交するマイクロメートル幅のギャップをフォトリソグラフとドライエッチングにより作製し、ギャップ光導波路を作製した。シングルモード光ファイバから出射した633nm(光導波路)と532nm(ギャップ光導波路)のレーザー光をレンズで集光し、劈開した導波路端面に照射することで、TiO_2導波路へ光を入射した。 光導波路の断面形状は台形型をしており、Crマスク直下のTiO_2へのアンダーカットが見られた。また、TiO_2膜断面には多結晶状の構造が観測されたが、X線回折データにおいては、ルチル及びアナターゼ構造に起因する回折線は観測されなかった。25μm幅の光導波路にレーザー光を入射したところ、光は導波路に沿って進行し、出射端面まで光が到達していることを明らかにした。 ギャップ幅が、10μm、5μmのギャップ光導波路を作製した。レーザー光を入射したところ、光は光導波路に沿って伝播したが、ギャップ部において強く光が散乱され、受光光導波路へ光が透過しなかった。これは、ギャップ中を伝播時に光が空間的に広がり、また、空気と二酸化チタンの屈折率差が1.2~1.4と大きいため空気/二酸化チタン界面において光が強く反射されていることが原因であると考えられる。
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