研究課題/領域番号 |
23651163
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山崎 文雄 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50220322)
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研究分担者 |
丸山 喜久 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70397024)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 熱画像 / 災害把握 / 航空機 / 熱赤外センサ / 夜間撮影 |
研究概要 |
地震などの自然災害が発生した場合,被害範囲・程度を早期に把握することは,緊急対応をとるために極めて重要である.我国は国土が狭いこともあって,災害状況の早期把握には,ヘリテレ映像や空中写真による航空リモートセンシングが多用されており,被害が広域にわたる大規模地震や,地上からのアクセスが困難な山間地域などの被害把握に力を発揮している.しかし,空撮による映像・画像は,可視域および近赤外域の光を利用しているため,太陽光のない夜間においては,基本的に情報収集が困難になる.一方,熱放射を観測する熱赤外センサは夜間でも利用可能である.本研究では,最近,小型化・高性能化してきている熱赤外センサによる空撮画像を用いて,建物倒壊や道路閉塞などの災害状況を把握する手法を開発する. H23年度は東日本大震災が発生し,空撮熱画像を撮影するチャンスであったが,被災地の夜間飛行が困難であり,空撮熱画像は入手できなかった.その替わり,衛星熱赤外画像を入手し,津波による浸水地域の把握を行い,航空写真データや各種の被災マップと比較して,精度を検証した.その結果,夜間熱画像によって,浸水地域における温度変化を把握できることが示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
航空機搭載熱赤外画像は入手できなかったが,衛星熱赤外データを用いた津波浸水把握が行えた.
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今後の研究の推進方策 |
今後,建物被害を含む地域の空撮熱画像の入手を試みたい.しかしもし困難な場合は,可搬型の熱赤外カメラによるシミュレーションや,模型実験により,熱画像による瓦礫の抽出を試みる予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費としては建物被害を含む地域の空撮熱画像の購入を考えている. また調査・研究旅費や成果の学会発表旅費も計上している. 謝金等は,データ入力や資料整理,成果発表に関するWebページ作成などの研究遂行と成果の公開上に必要な経費のみを計上した. その他の研究経費は熱赤外カメラのレンタル料や学術論文投稿料,学会参加登録料として必要であると考えている.
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