研究課題/領域番号 |
23651171
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
盧 存偉 福岡工業大学, 工学部, 教授 (80320323)
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キーワード | 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 三次元画像計測 / 三次元証明写真 / 安全防犯 / 顔認証 / 米国:中国 |
研究概要 |
平成24年度の研究実績を課題ごとに報告纏める。 1.3D顔写真取得システム:一枚の2D写真より3D顔写真の取得 可視光を用いた研究は完了し、一枚のデジタル2D写真による三次元画像計測を実現した。実物を用いた検証実験も行い、実験結果が良く、実用化レベルになったと考えられる。近赤外光を用いた一枚の2Dデジタル写真による三次元画像計測に関する研究は、理論研究を終えて、現在検証実験を行っている段階である。概ね良い結果が得られたが計測精度が高くない問題が残っている。原因としては、近赤外光自身の問題と私達が提案した手法の問題の両方にあると考えられる。現在アルゴリズムの修正を始め計測精度向上のためのいくつかの新たな手法を提案し、検証しているところである。 2.全自動3D顔認証 理論研究が終えて、認証方法を二つ提案し、20名程度のユーザに対する認証実験を行った。手法1では、認証精度が高いが、認証のための計算時間が長い。実用化のために、更に認証時間を短縮する必要がある。現在ハードウェアとソフトウェアの両方から、認証時間の短縮に関する研究を行っている。手法2では、高速で認証を実現できたが、理論上の認証精度が得られなかった。その原因は三次元画像計測の精度が高くないことと認証アルゴリズムの問題の両方から考えられる。前者の三次元画像計測の精度が高くない問題は課題1に挙げられた問題であり、現在解決中である。後者の認証アルゴリズムの問題に関しては、元々私達の提案手法では3D形状情報だけ使って認証を行うが、現在顔の形状情報に鼻等の部品の情報を加え、形状情報と部品の位置情報の両方から総合的に認証する手法を提案し、検証実験を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標1の「3D顔写真取得システム:一枚の2Dデジタル写真による三次元画像計測」の達成度については、可視光投影を用いた達成度は100%であり、赤外光投影を用いた計測の達成度は70%程度であり、トータルで80%程度である。概ね計画通り進展している。 目標2の「全自動3D顔認証」の達成度は70%であり、概ね計画通りに進んでいる。100%になってない理由の一つは、本研究の認証精度の設定に有る。本研究では、実用性を考量し、認証精度は98%以上にならなければ、認証失敗とする。 また、計画のスケジュールの完成度については、平成24年度の前期の「実験システム構成」の完成度と、通年の「課題ごとの実験、システム修正」の完成度は何れも100%である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はまず前述目標1の「3D顔写真取得システム:3D顔写真取得システム:一枚の2Dデジタル写真による三次元画像計測」及び目標2の「全自動3D顔認証システム」の未完成部分を完成する。 その次、目標3の3D顔データベースを構築し、システムを完成する。 システム完成後、三年間の研究を纏め、論文投稿を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究は概ね順調に進展したものの、平成23年度分研究費の未使用分545,325円を繰り越したために148,265円が未使用となった。次年度は研究期間の最終年にあたることから、今年度未使用分と合算し効果的に使用する予定である。 次年度研究費の用途は主に下記のように計画している。 1.データサーバーとデーター処理用計算機及び実験用消耗品の購入 2.研究補助者への謝礼 3.出張旅費及びその他の支出 4.学会発表、論文投稿に関連する費用
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