研究課題/領域番号 |
23651171
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
盧 存偉 福岡工業大学, 工学部, 教授 (80320323)
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キーワード | 三次元 / 顔認証 / 自動車 / 運転支援 / 防犯システム |
研究概要 |
本年度では計画通り総合実験システムの構築と総合実験を行いました。また、私達が提案した三次元顔認識技術の自動車運転支援システムへの応用研究も行いました。 まず総合計測システムの構築に関しては、可視光によるパターン光投影計測システムと近赤外光によるパターン光投影計測システムをそれぞれ設計し、実験室レベルの計測実験システムを試作しました。 次に試作システムによる計測実験を行いました。異なる年齢、性別の受験者に対し、様々な化粧や異なる照明環境での検証実験を行いました。受験者はカメラに正面を向いてる状態では、ほぼ100%の認証率が得られました。左右に5度以内の傾きを有する場合でも、95%以上の高い認証率が得られました。傾き角度が10度以内では、90%程度の高認証率を確保することができるが、10度を超えると、認証率がある程度落ちます。特に30度を超えた場合では、片方半分の顔があまり撮られないので、認証率が更に落ちてしまいます。実用の視点から見れば、証明写真を撮影する際に、顔が10度以上傾くことが殆どないので、提案手法が実用できると考えられます。 最後に、私達が提案した三次元顔認証の技術を自動車運転支援システムへの応用研究を行いました。近赤外投影光パターンと近赤外カメラの使用により、自動車運転者の顔向き角度の自動検出方法を提案し、実験システムを構築して、研究室レベルの検証実験を行いました。 上記の研究成果はすでに査読付き論文一編、国際会議三件を発表しました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は概ね計画通りに進みました。 三年計画の研究プロジェクトとして、最初の二年間は計画より少し早く進展しました。最後の一年も少しスピードアップすれば、当初の計画以上に実用レベルのシステム試作までに進展できるのではないかと期待しました。 しかし、最終年度に私が申請した他の大型研究プロジェクト(文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成事業)が採択され、二つの研究プロジェクトが同時進行の形になりました。そのため、本プロジェクトに注ぐ時間と人力がある程度減ることになりました。その結果、「概ね計画通り進展している」しかできず、私達が年度の初めに目指した「当初の計画以上に進展する」という目標に届きませんでした。 遅れている実験を行うために、研究期間を一年延長し目標達成を目指します。
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今後の研究の推進方策 |
実験室レベルの実験システムを更に改良し、実用化できるシステムの構築に力を入れ、研究開発を進めていくように考えています。 具体的には、パターン光投影システムの小型化の耐用化、撮影と処理の高速化などが挙げられます。
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次年度の研究費の使用計画 |
異なる年齢や性別の受験者に対する検証実験が当初よりも長引き、実験の一部を延期したため。 主に実用化システムを試作するためにかかる経費に使う予定である。主に以下の項目が挙げられる。 1.機材、消耗品費用。2.設計や外注費用。3.学生アルバイト費用。4.学会参加に関わる旅費等。
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