分裂酵母は真核生物の中で最も遺伝子数の少ない生物の1つである。申請者らは新しく開発した遺伝子削除法を用いて、分裂酵母の染色体遺伝子をさらに削除することを試みた。その結果、第1および第2染色体末端付近の合計約660kbを同じ株で削除した大規模遺伝子削除株の創製に成功した。分裂酵母大規模遺伝子削除株は野生株とほぼ同等の生育を示し、また異種タンパク質であるGFPやヒト成長ホルモンの培地への分泌量が野生株よりも約2倍多くなった。以上の結果から今回取得した分裂酵母大規模遺伝子削除株は物質生産などにも適用可能であることを示した。
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