グルタミン合成酵素(GS)はGluとアンモニアからGlnの合成反応を触媒し、ATPによるGlu側鎖のカルボキシル基のリン酸化が反応の駆動力となる。Gluの類縁体であるフォスフィノスリシンやメチオニンスルフォキシドは、このリン酸化中間体の生成段階で反応を阻害する。本研究は、結晶構造が明らかなトウモロコシ由来のGS1aを材料として、活性中心およびその遠位領域に部位特異的アミノ酸置換を導入した酵素を作製し、変異酵素の基質認識と阻害剤に対する感受性を調べた上で、大きく変化した変異体の結晶構造を決定した。これらの結果から、基質と阻害剤に対する親和性を区別して変化させる分子改変の可能性を提出した。
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