日照・日射、風、降水などの気候要素に関連する単語に由来する気候地名は、イングランドではfield-namesと呼ばれる地名に多い。これは、人が家屋敷を構えて定住していない土地、すなわち耕地、湿地、荒れ地、森、林、薮などに与えられた地名である。このfield-namesは、現地の地名研究において年々その重要度を増しており、イングランドの気候地名研究もこれと歩調を合わせて発展し得る可能性を秘めている。 学際性を特徴とする本研究課題は、常に語源の検討という英語学的考察を出発点としつつ、その深化と発展のために、とりわけ気候学的考察、地理学的考察、地質学的考察が必須となることが明らかになった。
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