研究課題/領域番号 |
23651263
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中塚 幹也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (40273990)
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研究分担者 |
関 明穂 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20314685)
新井 富士美 岡山大学, 大学病院, 医員 (50347986)
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キーワード | ジェンダー / 性同一性障害 / 性別違和感 / いじめ / 自殺 / 教育 / 学校 / 大学 |
研究概要 |
性同一性障害(Gender Identity Disorder: GID)とは,「心の性(性自認)と身体の性が一致しない状態」であり,子どもの頃から性別違和感を持ち,不登校,自殺念慮,自殺未遂などを経験する率も高い. 本研究では,各地の当時者の在学する学校,教育委員会,ジェンダークリニックを受診する性同一性障害当事者等への調査により,小学校,中学校,高等学校,大学での「性別違和感のある子ども」への対応状況,問題点を明らかにした.また,GID(性同一性障害)学会の全国大会で,当事者,教育関係者,医療関係者などに子どもの性自認や学校で対応に関する調査を施行し解析した. 学校の教職員が知識や情報を共有するための研修,専門医療施設の受診へ向けての両親への働きかけ,周囲の生徒への説明,周囲への告白などの過程を実践し,その影響を検討した.また,全国のジェンダークリニックの専門医と「性別違和感のある子ども」とその学校への支援について討議した. 日本精神神経学会の性同一性障害の関する委員会の委員として,思春期の子どもに関するホルモン療法を含む対応法に関してのガイドラインの改訂を行い,学校関係者への啓発を行った. これらの結果をもとに,医学雑誌,教育関連の広報紙,新聞各紙に研究内容を公表した.また,教育関係者に必要な情報として,各種のデータをまとめ,典型的な事例,作成した日本独特の子どもを観察するためのチェック項目のリスト,「性別違和感」を持つ子どもに対する学校での対応例などを記載した対応マニュアルである『学校の中の「性別違和感』を持つ子ども:性同一性障害の生徒に向き合う』,および,そのダイジェスト版のリーフレットを作成し,全国の教育関連者への配布を開始した.
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