本研究の主要な成果は、「論理教育における論理とは?」および「アリストテレスの様相論理体系はどこに向かうのか?」である。前者は、認知科学的知見も踏まえながら、初等中教育における論理的思考のあり方を論じたものである。これによって、現在種々の方法で提案されている「考える力」の原理的側面について、論理・心理・倫理を貫通するソクラテス思考の実践として再確認することができた。 後者は、文献学かつ哲学思想の学術研究として、アリストテレスの『分析論前書』の様相論理体系を精査したものである。これによって、科学的思考がどのような論理的構図のうえに形成されるものなのかを、解明することができた。
|