スリランカは長い内戦により社会的な平和の危機が続いてきた。スリランカ社会は現在経済復興に主眼があり、民族和解とその共存等の具体的な問題には、まだ手がついていないように思われる。しかし内紛の禍根、また再燃を未然に防ぐためにも、異民族、宗教間の相互理解が不可欠となる。幸いスリランカは対話と寛容の精神を醸成してきた歴史があり、本プロジェクトはその歴史を再発掘し、広くスリランカの人々に彼らの寛容と共助の精神史を知らしめる一助となることを目指した。その為に既に英文とシンハラ語にて宗教対話に関する書物も出版し、彼らの寛容の精神史の啓蒙活動を実践した。本研究の結果一層宗教対話が基礎づけられたと思う。
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