研究課題/領域番号 |
23652011
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
曽根原 理 東北大学, 学内共同利用施設等, 助教 (30222079)
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キーワード | 天台宗 / 近世文書 / 成菩提院 / 乗因 / 戸隠 / 霊宗神道 / 国際研究者交流 / 中国 |
研究概要 |
24年度は前年度に続き、天台宗史料の調査を重点的に行った。24年7月21~22日、9月30日~10月1日、10月20~21日の3回にわたり、滋賀県米原市の地方寺院の近世文書/聖教の調査を実施し、在地寺院の宗教活動や宗派内の動向を探った。その際に、研究協力者の松本公一、大島薫、青柳周一、朴澤直秀、井上智勝、梅田千尋、東幸代、藤田和敏、松金直美、武部愛子、青谷美羽、川嶋美喜子、望月良親、林晃弘の諸氏の協力を得た。また24年10月15日に大島薫・井上ひろ美両氏と打ち合わせの機会を持ち、調査対象となる史料の保存や管理に関する意見を交換した。 その他、24年12月25日に国立国会図書館、25年2月15日に国会図書館と国学院大学図書館において史料調査を実施した。そうした経緯を経て、近世中後期の地方寺院の実態や、同時期の宗教思想のあり方について、認識を深めることができた。 新たな認識にもとづく成果報告として、24年9月9日の日本山岳修験学会大峰山学術大会において口頭発表を行った。また、同年9月14日には中国・蘭州大学の「日本語・日本文化研究会」において、日本近世仏教研究の現状と課題に関する報告を行い、日本人研究者3名に加え、中国人の日本研究者3名と議論を行った。さらに、日本語を学ぶ学生約80名との学術的交流や、蘭州大学敦煌学研究所の視察も実施した。 来年度は現地調査を継続するとともに、二つの口頭発表を論文としてまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
史料調査は順調に進んでいるが、それを生かした従来説の検討に十分な時間が割けない状況であった。来年度はその点を意識的に改善していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
地方の近世寺院の動向について、成菩提院の近世史料の調査・分析を進めるとともに、比叡山延暦寺や東叡山寛永寺という中央の大寺院の動向を調査し、中央と地方の寺院の動向を立体的に分析する作業を進めたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
引き続き史料調査のための旅費や謝金を支出するとともに、その成果を公開するための学会発表や史料翻刻のための経費も使用する。
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