研究課題/領域番号 |
23652028
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
酒井 たか子 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40215588)
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研究分担者 |
BUSHNELL Cade 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (30576773)
山田 亨 筑波大学, 人文社会系, 助教 (60706943)
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キーワード | 落語 / 笑い / 異文化コミュニケーション / 理解 |
研究概要 |
1.研究材料の作成:留学生のための落語会を2回開催した。今年度は特に初級学習者を対象にした小咄を中心にデータ収集を行った。映像の編集、文字化を行い、研究材料として利用できるようにした。 2.コンピュータプログラムの開発:これまでまでに蓄積してきた映像データ、音声データとあわせて、留学生が落語を理解できるようになるためのコンピュータプログラムの開発を進めた。難しい語彙を画像で表示する、「かけことば」を問題を解かせながら二つの意味の理解を導くなどe-learningとしての面から、有効な方法について検討した。 3.会話分析の立場から、落語会における観客による笑いの組織化に着目し「ボケに対するツッコミ」という構造的フォーマットが落語家によって提示され、それが観客に対して笑う位置を知らせる合図の役割を果たしうること、そして、そのような合図が提示されたにもかかわらず適切な笑い行為を産出しない場合、落語家による「笑いの追求」が確認される場合があり、それによって、出された合図に対して笑うというのがこの状況下で期待される行為であるという志向性を示していることが分かった。また、落語を視聴する留学生による笑いのタイミングに関しても分析を行った。 4.落語において表象・実践されている日本の文化遺産として審査されるかという行政的側面からの分析を行った。 5.日本語学習者に対する落語の教育的利用に関して、効果的な方法の提案を行った。 6.研究発表を、オーストリア、トルコの研究会、アメリカの学会において行い、また2月には筑波大学において、海外からの研究者、落語家を招き講演会および座談会を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
講演会実施が予定より遅れ、その後の映像の編集、録音の文字化、およびそれらを利用した解説を含むシステムへの動画搭載が終了できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2月に実施した落語会、3月に実施した講演会の映像編集、文字化を進め、その後、字幕をつけたシステムへの搭載を行う。これらの作業に未使用額をあてる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
講演会が予定より遅れ、その後の映像の編集、録音の文字化、およびそれらを利用した解説を含むシステムへの動画搭載にも遅れが出た。 2月および3月に実施した講演会の映像編集、文字化を行った後、解説を加えて、字幕をつけたシステムへの搭載を行う。その後、全期間を通した分析のまとめの作業を行う。これらに未使用額を当てる予定である。
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