研究課題/領域番号 |
23652035
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
齋藤 文俊 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (90205675)
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研究分担者 |
坪井 秀人 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (90197757)
藤木 秀朗 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (90311711)
茂登山 清文 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (10200346)
秋庭 史典 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (80252401)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 日本文化 / 翻訳 / 文化の越境 / メディア / 表象 |
研究概要 |
本研究は、研究代表者および研究分担者が所属する「名古屋大学文学研究科附属日本近現代文化研究センター」がこれまで行ってきた、現代日本文化に関する国際的研究プロジェクトを継続発展させるものであり、異文化間・異言語間の翻訳の問題について、「文化の越境と翻訳」の問題としてとらえ直し、国際的に考察していくことを目指すものである。23年度には、下記のような事業を行った。 (1)「文化の越境、メディアの越境──翻訳とトランスメディア」セミナーシリーズ(日本近現代文化研究センター講演会)/【第1回 2011年11月5日】テーマ:「上海租界劇場文化の歴史と表象」・講演者:大橋毅彦(関西学院大学文学部)/【第2回 2011年11月29日】テーマ:「東アジアの近代と日本語」・講演者:沈国威(関西大学外国語学部) (2)上海交通大学外国語学院日本語学部講演会/【2011年12月9日】会場:上海交通大学閔行キャンパス/主催:上海交通大学外国語学院/講演者:坪井秀人(名古屋大学)/演題:言葉の境界をこえる ──日本近代詩史再考── (3) 国際シンポジウム・文化の越境、メディアの越境──翻訳とトランスメディア/【2011年12月10日・11日】/会場:上海マート4A会議室/共催:名古屋大学大学院文学研究科附属日本近現代文化研究センター・上海交通大学外国語学院外国文学研究所 このように、本年度は、名古屋大学でセミナーを開催し、上海交通大学との共催で(名古屋大学上海事務所の協力を得た)上海において、文化の翻訳をテーマとした国際シンポジウムを開催することにより、日本と海外の研究者が共同で研究していく体制を整た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、日本国内のみならず、海外の研究者との共同研究によって得られた知見を、広く社会に公開することに大きな比重をおくものであり、そのため、国際ワークショップおよび国際シンポジウムを開催することが、各年度の主たる事業となる。名古屋大学には「名古屋大学上海事務所(中国・上海)」があり、そこを東アジアの研究拠点として活用することが可能である。このような体制の下、平成23年度は、「研究実績の概要」に記したように、名古屋大学上海事務所(中国・上海)の協力の下、上海交通大学との共催で文化の翻訳をテーマとした国際シンポジウムを開催し、翻訳の問題を超域的に研究していくことができた。この成果を平成24年度の活動へと継承していくことにより、日本文化を超域的に研究していくための、日本国内外の研究者とのネットワークを構築し、そしてさらにこのネットワークを本研究でも積極的に活用することにより、「文化の越境と翻訳」を超域的・国際的に研究していくことが可能になる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度でもある平成24年度は、2年間の研究成果を総括するために、国内外の研究協力者を招聘し、「文化の越境と翻訳」に関する国際シンポジウムを開催する。 本研究の成果は、インターディシプリナリーな新たな学問分野の創出を促すことにもつながり、次世代に対しても魅力ある研究システムを提案することになる。こうしたプロジェクトの創発的指向は、従来型の伝統的な学問分野に対しても多くの刺激を与えるはずである。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究は、日本国内のみならず、海外の研究者との共同研究によって得られた知見を、広く社会に公開することに大きな比重をおくものであり、そのため、平成24年度においても、国際シンポジウムに関わる相応の支出が必要になる。 なお、本研究の母体となる日本近現代文化研究センターにおいては、これまでも国際シンポジウムを開催し、その都度その研究成果を、それぞれの報告書として作成する他、平成22年1月に創刊された研究機関誌『JunCture 超域的日本文化研究』や論文集『イメージとしての戦後』(平成22年3月、青弓社)等にまとめて広く公開し、学界でも注目を集めてきた。今回も、この2年間のプロジェクトの成果をまとめ、研究報告書を作成するとともに、論文集として刊行していく予定である。
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