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2011 年度 実施状況報告書

イギリス映像文化の変遷ー1980年代からの公的映画政策、市場変化と作品の変容

研究課題

研究課題/領域番号 23652044
研究機関同志社大学

研究代表者

河島 伸子  同志社大学, 経済学部, 教授 (20319461)

研究分担者 大田 信良  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90233139)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード文化政策 / 映画 / イギリス
研究概要

本研究の目的は、1980年代から今日までの英国文化政策、映画ビジネスに関わる市場環境の変化への分析を通して、この時期の映画産業、映画作品がどのように変容してきたかを明らかにすることにある。今年度は、研究代表者(河島、文化経済学)と研究分担者(大田、英文学)の思考をぶつけ合い学際的な研究の第一歩を進めるため、他のメンバーを加えた研究会を3回開催し、報告と議論を重ねた。お互いの議論している内容はわかり合えたが、いざ、それを自分の言葉で表現し直そうとすると困難があるということにも気づくことができ、今後の研究を進めるにあたり、どこまでを共通言語としていくべきかを探る助けとなった。 研究代表者個人としては、英国の文化政策、特に1990年代からの映画政策につき、文献調査に加え、英国の研究者と面談するなどの活動を通じて理解を深めることができた。より具体的には、文化政策の変遷((1)保守党政権時代における「文化の商業化」の動き、「経済成長、貿易収支に貢献する文化」という公的文化支援の根拠づけ、(2)放送行政の規制緩和とテレビ局による映画投資の活発化、(3)創造産業育成戦略、(4)新たな映画産業への助成制度、(5)「社会包摂」政策と文化多様性、(6)地方分権、地方都市再生策)といった研究課題のうち、特に(1)、(3)につき掘り下げていった。映画制作を英国内に誘致するための税制上優遇措置については専門性が高くまだわからない点も残っており、現在、専門家に問い合わせているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

イギリスの映画政策については概要が明らかになりつつあるが、これを4つのカテゴリー((1)ヘリテージ映画、(2)ポスト・ヘリテージ映画、(3)商業色の薄い、英国社会問題を扱った作品、(4)テレビ局が資金を出して制作した作品)における具体的映画作品と照らし合わせて分析する、という作業はまだ完全にはできていない。研究代表者と分担者でさらに研究会の機会を重ねて、より目的に沿った形での議論を深める必要がある。

今後の研究の推進方策

まずイギリスの映画政策の詳細をより克明に調べることが必要である。より具体的には、研究実績の中であげた研究課題のうち、(2)、(4)、(6)に取り組みたい。「映画政策」と絞り込むと文献が限られるため、より広くメディア政策関係の文献と、映画学という人文的アプローチからの研究資料にもあたっていく必要がある。前回の訪英により、キーとなる研究者個人名とジャーナル名が大分わかったので、これらを順次あたっていき、特に興味深い個人研究者とは面談する方向で検討したい。 また、同じヨーロッパでもフランスのようにイギリスとは対照的な映画政策を持つ国の実態も把握していきたい。もう一つの課題は具体的作品内容と照らし合わせての分析を進めることである。これには研究会における報告と議論の機会を重ねることが何より重要である。

次年度の研究費の使用計画

基本的には海外出張費、国内出張費、研究会開催に伴う諸経費、文献購入費に研究費を使っていきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 「ヨーロッパの文化政策」、『メディア芸術を扱う所蔵機関の海外事例調査』所収2012

    • 著者名/発表者名
      河島伸子
    • 総ページ数
      刊行確定
    • 出版者
      文化庁

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公開日: 2013-07-10  

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