研究課題/領域番号 |
23652080
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
江口 豊 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (70203627)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 専門言語 / 新聞 / ドイツ語 / スイス / チューリヒ |
研究概要 |
1 平成23年度は、研究対象となるNeue Zuercher Zeitung 4年分(1880年、1900 年、1910年、1928年)のマイクロフィルムを購入した。研究計画策定の際に設定した予算額に比べ大幅に減額する必要から、サンプリング対象の年号を変更した。原則として、できるだけ等間隔で、しかも大戦時などのいわば「非常時」を除外し、他の要因を可能名限り排除したかたちで学問の発展が反映されるよう配慮をした結果、上記の4年分とした。2 合計4年分の紙面すべてを調査するのではなく、統計処理上合理的なサンプリングを行い、各年度から60日分程度を分析対象として抽出した。尚、1928年雯についてはサンプリング作業が終了していない。3 ドイツ語専門言語研究における19世紀、20世紀の専門言語の特徴を関連文献で調査する作業を開始した。4 ドイツ語圏の新聞史におけるNeue Zuercher Zeitung紙の歴史的位置づけ、新聞としての特徴をヨーロッパ、とくにドイツ語圏の新聞史のなかでどう位置づけられるかという点についての調査を開始した。Neue Zuercher Zeitung紙についてはすでに225年史が公刊されており、八つの時代に分けた紙面分析が行われている。5 ドイツ語史全体におけるスイスドイツ語の特性について、関連文献で調査作業を開始し、英米語法の多用などの特性を確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「やや遅れている」とした理由は以下の二点である。1 東日本大震災の影響で、平成23年度予算案の執行が一時見送られたり、「三割減額の上で執行される可能性」などが一時事務経路で伝えられたため、予算執行の状況をみきわめたこと。2 主たる分析対象である新聞のマイクロフィルムが、いわば注文生産であったため、発注から到着までほぼ4ヶ月を要したこと。ただし、2月のマイクロフィルム到着後、研究補助を雇用し、紙面の電子化を可能なかぎり加速させ、遅れを最小限に留めた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、まず残された1928年度の紙面の電子化を完了させる。予算が予定通り執行されたので、当初の計画にしたがい、さらに1年分を追加で購入、電子化し、分析対象に加えることも検討する。これにともない、必要に応じて、短期補助員を雇用する。同時に、電子化された紙面の分析作業を実施する。分析結果が一部まとまり次第、学会などの場で研究発表を行う。また、所属研究機関などの刊行物に研究成果を逐次発表する。当初の予定通り、年度末で分析作業、考察を完了させることを目指す。尚、平成23年度予算執行について未使用額が発生した理由は、「現在までの達成度」に記した事情による予算超過への懸念による執行額の減額による。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の支出については、主として以下の四点を基本とする。1作業の進捗状況を睨みつつ、可能と判断されれば早期に追加のマイクロフィルムを購入する。このための短期支援員の雇用も計画している。国内学会などで発表し、スイス関連の専門研究者との研究交流を実施するため、国内出張を行う。新たに必要となる研究資料を調達する。尚、平成23年度予算執行に際して発生した未使用額は、「今後の研究の推進方策」に記した一時資料の追加調達により執行する予定である。
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