研究課題/領域番号 |
23652086
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
島袋 盛世 琉球大学, 法文学部, 准教授 (00363656)
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キーワード | 比較研究 |
研究概要 |
琉球語が話されている諸島の近隣には朝鮮半島で話されている朝鮮語(韓国語も含む)、台湾で話されているオーストロネシア諸語、そしてアイヌ語が存在する。これらの言語の語彙や音声体系を比較し琉球語とこれらの言語との関係(系統または言語接触)を明らかにすることが本研究の目的である。具体的な目的は以下に列挙する5つ。1. 奄美諸島から先島諸島までの広い範囲で話されている琉球語の音韻体系の比較分析を行うこと。2. 琉球語の基本語彙を基に、歴史比較言語学の観点から祖語を再建すること。3. 琉球語における言語変化の特徴を明らかにし、琉球語下位分類を試みること。4. 祖語から現代琉球語諸方言への変遷過程を説明すること。5. 琉球語特有の語彙(マース等)の語源の探求。 収集した基本語彙リストに基づき、琉球語祖語とアイヌ語祖語、オーストロネシア語祖語、朝鮮語祖語と比較分析し、琉球語と系統が同じ可能性がある言語が近隣地域にないか探った。また、琉球語は日本語と同系であるが、日本語の語彙と語源が異なると思われる語彙が多数あり、これら琉球語特有の語彙が近隣の言語および文化と接触した際に入ってきた可能性がないか比較分析を行った。 現在の状況: 収集した資料を公開するためホームベージを作成する準備を行っている。同時に分析をまとめ論文または報告書というかたちで公開する準備も行っている。公開する予定の資料,特に基本語彙のリストは随時語彙を追加する計画であり、他の研究者も含め、今後の研究につなげられるよう整える。 今後の研究の展開: 1. 本研究で比較した言語以外との比較分析。2. 九州で話されている方言との詳細比較。3. 名詞以外の基本語彙(動詞や副詞、そして機能語彙など)もリストに加え、本研究で比較した言語も含め、分析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画と比べ、現在までの進歩状況は「遅れている」と判断する。その理由は以下のとおりである。 1.ホームベージ作成も含め、データの整理および分析に時間がかかっているため。 2.琉球語諸語のアクセント体系も含め、音韻体系の変遷について、再考を行っているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の計画は以下のとおりである。1. 本研究で比較した言語以外との比較分析。2. 九州で話されている方言との詳細比較。3. 名詞以外の基本語彙(動詞や副詞、そして機能語彙など)もリストに加え、本研究で比較した言語も含め、分析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
論文の執筆が修了していないため、学会等における発表のため計上していた旅費が未使用となったため。 研究結果の公開のため、ホームベージ作成費および研究発表のための旅費に使用する計画である。
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