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2011 年度 実施状況報告書

東ユーラシアにおける国と語族を超えた言語地図によるミクロ・マクロ言語史の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 23652087
研究機関青山学院大学

研究代表者

遠藤 光暁  青山学院大学, 経済学部, 教授 (30176804)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード言語地理学 / 言語地図 / GIS / オーストロアジア語 / ベトナム語 / チベット語 / モンゴル語 / タイカダイ語
研究概要

2011年7月には京都の総合地球環境学研究所において同研究所のインダスプロジェクトと共同でオーストロアジア語・オーストロネシア語に関する国際ワークショップを開催した。国内はもとより,フランス・アメリカ・スウェーデン・インドなどからも研究者が参加して,緊密な研究交流を行った。言語史に関する内容が多く,これは地理分布の解釈においても直接の重要性を持つものである。 2011年9月から10月にかけて研究協力者である大阪大学の清水政明氏がベトナムに赴き,ベトナムの研究者と協力して北部・中部・南部の各地の大学において30地点,各2名,計60名に対する方言調査を行った。これは南北を縦断する線状をほぼくまなくカバーするものであり,音韻・語彙項目からなり,録音もとってあるので,ベトナム語方言に対する系統的な一次資料として貴重なものである。 2012年3月には青山学院大学において研究会を行った。清水政明氏らのベトナム語方言調査に基づく地理言語学的研究,鈴木博之氏のチベット諸語言語地図,斎藤純男氏のモンゴル諸語言語地図,遠藤光暁のタイ・カダイ諸語言語地図のサンプルについて研究発表と討論を行った。これはそれぞれの言語群についてほとんど初めての試みであり,このひな形に沿ってやれば,更に多くの言語地図を作成することが可能になるものである。この発表の準備のためにそれぞれの言語群の資料収集や整理も行い,分散していた資料を一望の下に納めることが可能となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2011年度当初は東日本大震災の影響で予算が減額される可能性があると伝えられていたが,7月に京都の地球研でオーストロアジア語・オーストロネシア語に関するワークショップを開催することができ,それを機縁として9月・10月には清水政明氏らによるベトナムでの現地調査も実行に移すことができた。また2012年3月にはベトナム語・チベット語・モンゴル語・タイカダイ語に関する言語地図化に関する成果の発表会も行い,これらの言語群に対する地図化の目処が立った。 ただし,2012年12月に予定している国際会議のために予算を保留する必要があったため,東ユーラシア地域全域の諸言語までは地図化が及ばなかった。

今後の研究の推進方策

2012年12月には青山学院大学にて第1回アジア地理言語学国際会議を開催する予定であり,国内の研究者はもとより,国外からも発表者を招聘し,この地域に対する言語地理学的研究を促進し,これまでの成果を概括し,更に今後の系統的な発展のための共通の交流の場を設けたい。 これに向けて今年度は各言語群の研究者により言語地理学的研究を進め,集大成を行う。もし可能ならばミャオヤオ語やビルマ語などの諸言語に対する現地調査なども行いたい。

次年度の研究費の使用計画

最大の使途は第1回アジア地理言語学国際会議のための国内旅費,海外からの発表者の招聘旅費,発表論文集作成などの開催費用である。 更に余裕があれば海外の現地調査も可能ならば行いたい。ほか言語地図作成に必要な参考資料の収集やソフトの購入などに使用する可能性もある。

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公開日: 2013-07-10  

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